◇奈良をもっと知りたくて
古都の歴史や文化などをよく知る〈通〉を増やそうと、奈良商工会議所は14日、奈良女子大など
奈良市内4か所で、奈良まほろばソムリエ検定で初の試験を実施した。予想の3000人を上回り、
9〜88歳の4038人が出願し、北海道や熊本県からも受験。今回は初級の「奈良通2級」で、
四つの解答例から一つをマークシートで答える100問を出題。受験者は90分間で「万葉集には
何首の歌が収められているか」「奈良公園でよく見かける鹿(しか)が嫌うという樹木は」などの
難問に挑戦した。結果は2月に発表される。
長野県飯田市で旅行業を営む中島一夫さん(48)は、約30分で試験を終えた。「仕事柄、
京都検定など数多くの検定を受けている。でも、古墳や天皇陵はここ特有で勉強になった」
と話していた。
愛知県豊田市から、家族3人で受験した市立野見小学校6年掘文奈さん(12)は「お父さんが
問題を出し、家族で3か月間勉強した。歴史は大好き。もっと奈良のいろいろなところを見てみたい」
と声を弾ませた。
会社ぐるみで試験に臨んだところもあり、キリンビール奈良支社は営業職5人全員が、そろいの
ジャンパーを着て受験。5人とも県外出身で、ガイドブックで勉強、合宿もした。鎌田興憲支社長は
「奈良の人たちと仕事で話をする時に生かそうと挑戦した。合否はよろずの神に祈るしかない」と話した。
一方、奈良交通も社挙げて取り組んだ。バスガイドの関口智美さん(29)も「難しかった。合格したら
ガイドする修学旅行生たちにも検定の事を話そうかな」と笑顔だった。
また、近鉄の山中康隆さん(50)も、会社を通じて検定を知って試験に挑んだ。四つから一つの答えを
選ぶのが曲者(くせもの)だったといい、「二つまでは絞れるものの、どっちだろうと悩んだ。最後は運任せ。
でも、奈良を見直す良いきっかけになった」と振り返った。
ソース
http://osaka.yomiuri.co.jp/wakaru/news/wk70115a.htm