1年ぶり車いす外れる 住民らリハビリ支援 水戸三の丸
チロは約八年前から同地区に住みつき、住民や近所の高校に通う生徒に親しまれ、
地元で有名な犬だった。二〇〇五年十月、道路横断中にバスにひかれて両後ろ脚が
不自由になった。住民たちはカンパを集めて犬用車いすを購入。
チロは自力歩行を目指し、リハビリに取り組んでいた。
世話をしている水戸市の商店経営、石川美智子さんによると、リハビリ中はカルシウムを
含む食べ物を摂るように心掛けたという。定期的にマッサージを続け、時にはスパルタで
訓練した結果、今では階段の上り下りもできるようになった。
住民らはおむつや通院費用をカンパしたり、マッサージを手伝うなどしてサポート。
インターネット上で話題になり、「ドッグフードを買ってあげて」と、商品券が添えられた
手紙も届いた。石川さんは「歩けるようになったのはチロに愛情を注いでくれる人たちの
おかげ」と話す。
「奇跡が起きない限り歩けない」と判断した獣医師は涙を流して喜んだ。
石川さんの店の前を通る人たちは口々に「本当によかったね」と声を掛けていく。
「チロの歩きたいという思いとわたしたちの歩いてほしいという気持ちが伝わり合って
奇跡が起きた」と石川さん。二度と事故に遭わないよう、住民らとともにチロを見守って
いきたいと考えている。
茨城新聞
http://www.ibaraki-np.co.jp/main/daily02.htm