各地方が“ご当地ブランド”商品づくりに躍起になる中、武雄市の武雄温泉名物「十円饅頭(まんじゅう)」を、半世紀
余りにわたって作り続けていた菓子店「園田屋」が今年6月、のれんを降ろした。店主夫婦の高齢と入院で営業を
断念したが、半年たってなお、閉店を知らずに訪ねてくる客が絶えない。
十円饅頭は、粒あんとこしあんを黒砂糖の茶色い皮で包んでおり、素朴な味わいが特徴だった。いまどき1個10円の
安さもあって、市民だけでなく、評判を聞きつけた温泉客の人気も集めていた。1976(昭和51)年の若楠国体では、
三笠宮さまにも茶菓子として献上されたという。
履き物店だった園田屋が、菓子店に転業したのは53(同28)年。パン屋で修業していた3代目の園田増雄さん(83)が
「資金がなくても、てっとり早く独立できる」と、妻のマサヨさん(77)と2人でスタートした。
半世紀の間、創業から全く味を変えなかった。地元の子どもたちの定番おやつでもあり、登校中の児童が「おいちゃん、
とっとって」と声をかけ、帰りに小銭を握って立ち寄ることも。
ただ、最近は2人の高齢もあって、長女の森田浅子さん(54)は「午前1時からの仕込みは体にもきつい。いつまで
続けられるだろうか」と心配していたという。
5月末の夕方、マサヨさんが倒れて救急車で病院へ。そのまま半身が不自由になり、現在も入院生活が続く。
採算が合わない商売でも「お客さんが喜んでくれるけん、作りようと」が2人の口癖だったが、「1人では、もうできんな」。
廃業を決めたという。
増雄さんは「突然の閉店で、お客さんに何のあいさつもできなくて」と振り返る。店のあった土地は駐車場になったが、
隣の焼き物店の女性(61)は「いまだに福岡など県外からもお客さんが来てますよ。十円饅頭はどこですかって」と語る。
茶菓子として使っていた旅館も多く、同市商工観光課も「地元の大切な名物だった。採算的に難しいが、誰か継いで
くれる人がいればいいが」と話している。
佐賀新聞
http://www.saga-s.co.jp/view.php?pageId=1036&mode=0&classId=0&blockId=296770&newsMode=article 画像
武雄温泉名物として親しまれた「十円饅頭」の店先=武雄市武雄町(2004年1月)
http://www.saga-s.co.jp/var/rev0/0016/0830/manjyu2.jpg ※ご依頼いただきました。
http://news21.2ch.net/test/read.cgi/femnewsplus/1164040061/124 50円だな.80円ぐらいじゃないと.採算がとれない.