お笑いブームが医療分野にも押し寄せる!?
そんな、少し不謹慎なことが現実になるかもしれない。
笑いと健康学会(会長・澤田隆治氏=帝京平成大学教授)が、
笑いが血糖値を下げるという仮説を医学的に検証するため、
糖尿病治療時の専門的な血液検査(グリコヘモグロビン検査)を
取り入れた実験を来年2月にも行うからだ。
「糖尿病治療の専門的指標に着目して笑いの前後の変化を調べるのは初めて」(澤田会長)だけに、
医療関係者だけでなくお笑い業界の関心も高まっている。
笑いの効用についての実験は古くから行われてきた。
笑うと血糖値が下がる、免疫機能が高まる、唾液(だえき)中の
殺菌物質が増えるなどの事例報告は数多い。
しかしこれらが実際に病気の治療につながるかどうかは仮説の域を出ていない。
体系的な研究が進まず“医学的根拠”も不十分だった。
「実験は多くの被験者に100回以上行わないと医学的根拠とならない。
学会でそれをきっちりやっていく」と澤田会長。
「いつか“笑い療法士”を正式な国家資格にする」ため教育の専門家も会員に名を連ねる。
「え〜、『心筋梗塞(こうそく)』の梗塞は詰まるってことでして。
東京にもありますよね、いつも詰まってる首都“高速”」。
12日、都内で開かれた「健康と癒しの落語会」で、
立川らく朝さんのトークに会場がどっと沸く。
らく朝さんは医者の肩書きをもつ異色の噺家(はなしか)だ。
当日は、コレステロールのトークショーや高血圧がテーマの落語で観客を笑わせた。
医者の立場からも笑いの効用を実感するらく朝さんは、
笑いを医療行為に生かす「笑い外来」の開設を準備中だ。
同日、名古屋。
「笑いの効用シンポジウム」で高座に上がった三遊亭楽春さんも笑いの健康効果を肌で感じている。
「笑いは生命力そのもの。疲れてる人ほどよく笑う。笑って元気を取り戻す」。
学会の実験については「ぜひ研究してほしい。噺家はあくまで“実践”。
効果を裏付けるデータがそろえば、より多くの人に笑いを受け入れてもらえる」と期待を寄せる。
関西では、自治体もその効用に着目。大阪府は府立上方演芸資料館「ワッハ上方」と協力し、
芸人を医療機関や福祉施設に派遣して笑いの実演などを行う事業を9月から実施している。
ワッハ上方は、府の支援が終了する来年2月以降も事業を継続する方針だ。
「笑いの力を利用した新しい療法の導入なども企画中。詳しくはまだ秘密や」(竹村章治事業部長)。
吉本興業は“お笑いで健康に、幸せになる”がテーマのウェブサイト
「笑うシニア.com(どっとこむ)」を7日に立ち上げた。
イメージキャラクターの西川きよしさんは
「笑いは世代を超える。みんなで良い笑いを作って、健康になろう」と呼びかける。
お笑いブームの一方で、増え続ける糖尿病患者。
厚生労働省は2010年に1080万人と推測される患者数を1000万人に抑える計画だが、
笑いの治療効果が実証されれば“笑いの国家プロジェクト”も笑いごとでなくなるかも。
http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200611200014a.nwc 笑いと健康学会が7月に開催した研究大会。大村崑さんが講演した。
http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200611200014a1.jpg ※依頼スレでご依頼いただきました。