宇都宮動物園(宇都宮市上金井町)のアジアゾウ飼育場の堀が、北米原産の
アカミミガメの“ついのすみ家”になっている。飼い主に捨てられ、拾得物として
交番などに届けられたカメを同園が引き取り、放しているからだ。引き取り数は
増加傾向にあり、堀のカメは20匹ほどに増えている。
アカミミガメは、目の後ろに鮮やかな赤い模様があるのが特徴だ。子供のころは
手のひらに乗る大きさで、甲羅や体がきれいな緑色をしていることから、ペット店
などで人気があり、「ミドリガメ」として縁日などでも売られている。
ところが、成長すると、甲羅の大きさが30センチ近くになる。飼育に困った人が
川などに捨て、野生化するケースも多いという。
同園が警察から引き取ったアカミミガメは、2004年ごろまでは年間7、8匹だったが、
昨年夏から急増し、今年はすでに10匹以上に上っている。
県警によると、拾得物として届けられる動物は、数、種類とも年々増えており、昨年は
犬や猫を中心に645匹が寄せられた。爬虫(はちゅう)類も珍しくなく、カメは22匹、
イグアナも3匹を数えた。引き取り手のいない犬や猫は県の動物愛護指導センターに
持ち込むが、カメなどは、動物園に頼らざる得ないのが現状だという。
ゾウ飼育場と観覧用通路を隔てている堀は、縦横10メートルほどのL字型をしており、
幅は約2メートル、深さ1・7〜2・5メートル、一部に50センチほどの水がためられている。
水面は藻に覆われていて、観察には不向きだが、天気の良い日は、甲羅干しのために
地上に上がるアカミミガメを見ることができる。
荒井賢治園長は、「想像以上に大きくなったり、飼育が大変な生物もいる。最後まで面倒を
見るのが飼い主の最低限の責任だ」と、飼い主のマナー低下を嘆いていた。
YOMIURI ONLINE(読売新聞) 06/10/19
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tochigi/news001.htm 画像
約20匹のアカミミガメが生息するアジアゾウ飼育場の堀(宇都宮動物園で)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tochigi/img/news001_1.jpg ゾウ飼育場の堀で生息するアカミミガメ
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tochigi/img/news001_2.jpg