京都市青少年科学センター(伏見区)で昨年度行われた二足歩行型ロボット
「ASIMO(アシモ)」を使った授業で、職員が教材として作った木製人形
「BOKUMO(ボクモ)」2体がこのほど、人形の寺で知られる宝鏡寺(上京区)に保存された。
孝明天皇ゆかりの人形など由緒ある人形を所蔵する同寺だが、
「アシモのすごさを寡黙に伝える影の役割を果たした」と高く評価し、大切にしていくという。
アシモの授業は、開発したホンダと日本科学未来館(東京都)が昨年度、国内で初めて実施。
同センターではバランスと重心を学ぶ授業に利用し、約120回開かれた。
ボクモは身長約60センチ、体重約1・2キロ。
「アシモを見るだけでは、すごさなどを理解しにくいのでは」と考えた同センター職員たちが考案。
半年以上かけて関節の動きなどを試行錯誤し、約45体を手作りした。
授業では、子どもたちがボクモを動かして片足立ちなどの難しさを実感した後、
アシモの動作を見ることで、優れたバランス性能などを伝えた。
子どもたちに「ボクモがほしい」と言われるほど親しまれた、という。
宝鏡寺は、同センターとともに市内博物館施設連絡協議会に参加している。
昨年6月の総会でアシモの授業が公開された際、ボクモを見た田中惠厚門跡が
「職員の熱意や愛情が出ている」と感心したことをきっかけに、保存が決まった。
アシモの授業には約7800人の子どもたちが参加した。
役割を終えたボクモたちは、角がすり切れたりと活躍の跡が残る。
ボクモを手掛けた職員の1人、橋本年弘主任主事は「本当によく働いてくれた。
宝鏡寺で大切にしてもらえてうれしい限り」と話している。
同寺では、春と秋に開く人形展での展示を検討している。
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2006101200090&genre=J1&area=K10 宝鏡寺で保存されているボクモ
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