今月中旬、オーストラリアで開催される自転車レース「クロコダイルトロフィー」に、仙台市
宮城野区のデザイナー渡辺徹さん(38)が5回目のチャレンジをする。世界一過酷なレース
とされ、途中棄権者も多いが、アマチュアの渡辺さんはプロのレーサーに交じって過去4回
とも完走。地元メディアに活躍が紹介され、現地では「日本のトオル」と呼ばれ、人気者に
なっている。
同レースは今年で12回目を迎え、国際自転車連合の「ワールドイベント」の一つに位置
付けられる。17―29日の13日間、オーストラリア北東部の全長1440キロを走破し、
合計タイムを競う。
自転車競技の最高峰「ツール・ド・フランス」に出場経験のあるプロもおり、レベルは高い。
炎熱の砂漠や山岳地帯がステージで、3分の1がリタイアした年もある。あまりに過酷な
ため、完走者全員の栄誉がたたえられる。
今年は欧米などから20―50代の46人が参加する予定で、アジアからの出場は渡辺さん
ただ一人だ。 渡辺さんは2000年と02―04年の計4回出場し、いずれも完走した。04年
はその実績が評価され、3人1組のチーム競技にもエントリーし、2位に入った。
「今年の調整は順調。これまでで最も調子がいい」と張り切る渡辺さん。「年々レースが
高速化してきている」と、マウンテンバイクだけでなくロードバイクの練習も取り入れ、最終
調整している。
過去のレースでは、無名の日本人が完走したことに参加者から驚きの声が上がり、04年は
オーストラリアのテレビや新聞がチームの活躍ぶりを伝えた。現地では「日本のトオル」と
愛称で呼ばれ、声援が送られてきた。
渡辺さんは「健康のため30歳で始めた自転車だったが、今は走ることが生きがい。2年ぶり
の挑戦なので、楽しみながら少しでも上を狙いたい」と意気込む。
Yahoo!ニュース - 河北新報 - 06/10/04
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061004-00000013-khk-toh