医師不足問題を踏まえた夜間の小児医療態勢の整備で、安中市は十月四日から、
地元の碓氷安中医師会と連携し、公立碓氷病院(同市原市)で夜間の小児救急診療
を始める。市が人件費を負担する独自の方式を計画し、市議会九月定例会に提出した
本年度一般会計補正予算案に、関連費用三百九十万円を盛り込んだ。地元の開業医
十二人が交代で毎週水、木曜日に午後七時半から三時間、同病院内で診察する。
◎医師会に委託し来月から碓氷病院
市や医師会の計画では、比較的軽度の初期(一次)救急診療を、医師会所属の小児科医
や内科医が行う。入院や手術が必要な重症(二次救急)の場合は小児科病棟を持つ西毛
地区の病院などに搬送する。祝祭日や年末年始(十二月三十日−一月三日)は休診。
碓氷病院は本年度から常勤小児科医が四人から一人に減少、西毛地区の二次救急担当
の輪番から外れるなど、医療の弱体化が問題となっている。
夜間の救急患者が輪番制病院に集中すると、二次救急が手薄となるため、碓氷安中医師会
は一次救急の充実を理事会で検討。「地域医療のために必要」と、夜間(深夜を除く)の診療
開始に向け安中市や碓氷病院と協議を進めていた。
夜間診療は市が人件費を負担し、医師会へ委託して行う。病院側は小児科外来診察室を
提供する。公立病院内で開業医が行う夜間一次救急としては、公立藤岡総合病院(藤岡市
藤岡)が十月から実施する。
医師以外の看護師や技師、事務などのスタッフは病院の職員が兼任する。また碓氷安中
薬剤師会の協力で、同病院近くの院外薬局に夜間スタッフを置く。運営状況を見ながら、
曜日や時間の拡大を検討する。
県医師会は夜間の小児急患が輪番制病院に集中しないよう、一次救急を各市町村単位で
対応するよう検討している。
上毛新聞 06/09/22
http://www.raijin.com/news/fri/news01.htm