富良野 「北の国から」効果薄れ、客激減 再燃めざす
北海道富良野市を舞台にしたテレビドラマ「北の国から」の放送が終了して4年。
ドラマの記憶が薄れるとともに、同市への観光客が激減している。近くに旭山動物園という強敵も出現した。
地元は客離れを食い止めようと、ロケセット復元や、ドラマを制作したフジテレビに続編を求めるなどして、
ブームの再燃を目指す。
同市の観光の柱は、夏の「ラベンダー」と冬の「スキー」、そして「北の国から」だ。
同市に最も多くの観光客が訪れたのは、02年度の249万人。
「北の国から」最後の作品となった「遺言」の放送があった年だ。それが05年度は約207万人に減った。
特にドラマのロケセットがある麓郷地区は03年度の約90万人が昨年度は約60万人に。
同市商工観光室は「麓郷の落ち込みが、そのまま市全体の数字に反映した」と話す。
80年代、ドラマのヒットで「富良野」の名前が全国に広がった。その後は下火になっても、数年に一度の
スペシャル版が放送されるたびに、人気を持ち直してきた。
ところが、ドラマが終わると記憶は薄れる一方。公開しているロケセット内部を自由に見学できるようにしたり、
ドラマの「その後」をうかがわせる新たなセットを作ったりしたが、大きな話題にならなかった。
この間、近接する旭山動物園(旭川市)が全国的な人気スポットになり、客離れに追い打ちをかけた。
「富良野はテレビの効果が薄くなり、旭山に流れた部分がある」(北海道経済部)
ふらの観光協会は03年に脚本を手がけた倉本聰氏の発案で、ロケ地を巡るスタンプラリー
「北の国からパスポート」を作製。昨年はカラー写真を使ったドラマゆかりの場所の探訪マップも作った。
現在は、田中邦衛さんが演じた黒板五郎が、東京からふるさとに戻った時に住んだ「最初の家」を復元中。
7月からは、観光客からドラマの続編制作の要望を募っている。すでに1000通を超えるメッセージが集まり、
近くフジテレビ関係者に届けるという。
同観光協会の会田系伍専務理事は「北の国からとともに富良野の観光は成長してきた。
何もしなければ、どんどん観光客は減っていく。何とかリピーターを呼び込みたい」と話す。
《北の国から》 主人公の黒板五郎と2人の子どもの成長を、富良野の大自然の中で描いたテレビドラマ。
81年10月から翌年3月までフジテレビ系列の連続ドラマとして放送。
その後、02年9月までの約20年間、単発のスペシャル版が8本制作され、いずれも20〜30%台の
高視聴率を記録した。
人気復活の目玉がこのボロい家↓
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