京都府福知山市中の農業塩見さん(68)が、ちょっと風変わりな残暑見舞いを世話になった友人らに
送っている。栽培するカボチャの表面に鉄筆で字を刻み、傷口から流れる液が固まると完成。
10年以上前から続け、今年もなじみの病院やすし店に「笑門来福」などと書いて手渡した。
きっかけは1992年7月。収穫前のカボチャが茎との摩擦で傷つき、表面に「川」の字が浮き上がって
いたのに感動。「自分でつくったら面白い」と早速、文具店でガリ版に使う鉄筆をそろえた。
カボチャは表面にでこぼこが少ない「エビスナンキン」を使用。未成熟の時に刻むと腐り、大きくなりすぎると
液が出ない。試行錯誤の末、ソフトボール大の時に一気に字を入れ、ナイロン袋で包んで自然乾燥させる方法に
たどり着いた。
毎年、スナックのママや同級生、近所の小学生ら5人ほどに渡してきた。
今年は、すし店の店主には「鮎(あゆ)」や「鰻(うなぎ)」など夏の魚の字をびっしり並べ、
市消防本部には太字で「火の用心」と書いて贈った。同本部は「紙にはない温もりがある」として
正面カウンターに飾っている。塩見さんは「楽しく日々を過ごすのが一番。これからも作り続けたい」と意気込んでいる。
ソース
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2006083100064&genre=K1&area=K50