滋賀県や京都府の造り酒屋で、酒かすが品薄になっている。
酒かすで野菜を漬ける「かす漬け」の人気が高まっているためで、
10年前には年中売っていたが、ここ数年は販売を始めて2、3カ月で売り切れるという。
大津市の造り酒屋「平井商店」は毎年、約3トンの酒かすを作り、6月末に売り出す。
以前は売り切れることはなかったが、3年前からは8月中に完売している。
専務の平井享さん(53)は「取り合い状態。京都や大阪からも注文があり、郵送している」と打ち明ける。
長浜市の酒店「はしもとや」は、県内の造り酒屋の酒かすをインターネット上で販売している。
今年も6月末から売り、すでに6種類のうち4種類を完売した。
店主の佐野誠一さん(46)は
「注文は全国からある。初めて漬ける人も多く、漬け方の説明を求められる」と話す。
毎年600キロを予約制で販売している京都市上京区の「佐々木酒造」も
「数年前から問い合わせが増えている」という。
品薄の理由の一つは、日本酒離れで清酒の生産が減少し、酒かすの生産も減っているためだ。
平井商店の生産量も、日本酒の生産がピークだった1989年ごろの5分の1ほどだという。
一方で、かす漬けはちょっとしたブームになっている。
かつては主に農家の保存食だったが、塩押ししたキュウリやウリを漬けるだけの手軽さが受け、
主婦だけでなく、定年退職した男性も楽しんでいるという。
昨年、かす漬けを始めた大津市の主婦辻坂久子さん(68)は、
今年もキュウリ200本を漬けるために酒かすを24キロ分買った。
「簡単で、おいしい。酒かすが無くなると困るので、急いで買いに来た」と話していた。
県内の造り酒屋51社でつくる県酒造組合連合会によると、
各社とも酒かすの問い合わせが殺到しており、「人気は全国的」という。
ただ、造り酒屋にとって酒かすは副産物だけに、連合会の宮武嚴夫事務局長は
「日本酒の生産が増えれば、酒かすも増えるのだが」と複雑な表情だ。
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2006081100051&genre=K1&area=S00 かす漬けの人気で、品薄状態が続いている酒かす
http://www.kyoto-np.co.jp/static/2006/08/11/P2006081100051.jpg ※依頼スレでご依頼いただきました