自動車に乗ったまま商品を注文し、持ち帰ることができるドライブスルー店舗を
めぐり、外食大手が相次いで強化に乗り出している。日本マクドナルドは、今期
計画している改装店舗の約半数をドライブスルー店にするほか、コーヒーチェーン
大手のスターバックスコーヒージャパンも2倍に増やす計画だ。売り上げや来店
客数増加の効果が見直され、都心店の競争が激化する中で収益アップの柱に据え
ている。
千葉市若葉区の国道51号沿いにある日本マクドナルド51号若松町店。今年3月
に改装オープンしたドライブスルー店だ。これまで運転手側にあったメニュー看板
を正面に配置し、助手席や後部座席からも見やすくしたほか、車列ができても事前
に商品が選べるよう複数のメニュー看板を場内に配置するなどの工夫を凝らした。
日本マクドナルドが国内で初めてドライブスルーを展開してから30年。国内店舗
の3分の1近い1180店まで広がった。「ドライバーの認知度は100%」と
原田社長は自負するが、利用率が伸びないのが悩みの種だった。
利用者からは「入りにくい」「注文が面倒」といった不満の声が寄せられたことから、
実験店では入りやすさやスピードアップに重点を置いた改装を実施。この結果、
周辺のドライブスルー店に比べ4%以上売り上げがアップした。上々の成果に
今期に改装を計画する400店のうち180店をドライブスルー店にした。
一方、平成15年からドライブスルー店の出店を開始したスターバックスでは、
今期は新規に20店舗開店させる。3年間で15店舗を出店しており、一気に
2倍以上にする計算だ。「通常店は昼から夕方にかけてが売り上げのピークだが、
ドライブスルー店は午後9時以降の深夜帯にもう一つの山ができる」と同社。
通常店の1・5倍売り上げる店もあり、積極展開を決めた。
牛丼チェーン大手の松屋フーズも16年からドライブスルーを導入。2年間で
76店に増やした。「弁当需要を着実に獲得している」という。
ドライブスルーの強化には、都心店舗の競争が激化し、出店余地が少なくなって
いることが背景にある。生活様式の変化で外食分野でも郊外店に対する期待が高
まっているといえる。
http://www.sankei.co.jp/enak/2006/jun/kiji/25macdonald.html