理髪店は髪を切る所、と思いこんでいませんか? 実は、最近の理髪店は
リラクゼーションスペースとして注目が高まっているのだ。髪を切るのは
もちろん、爪の手入れ、顔のエステ、耳そうじ、フットマッサージなど、
メニューは多彩。髪のカラーリングの色合いや似合う髪型などの相談にも
のってくれる。しかも、その技術は伝統の職人技。今や理髪店は、身だし
なみを整えながら、心身の緊張を解きほぐしてくれる、大人のためのサロ
ンでもある。
「外見は内面を映しだす鏡。大人の男は、自分の外見に責任を持たなくて
はならない」。そう語るのは、小泉首相をはじめ政財界に多くのファンを
持つ、キャピトル東急ホテル内の理髪店「村儀理容室」の村儀さんだ。
村儀さんによれば、おしゃれに見せるには調髪は2〜3週間に1度が理想で、
「白髪が多い人が全体を真っ黒にしてしまっては、かえっておかしい。
5〜10年前の自分を目指すのがおしゃれ」。 爪の手入れも重要で、
「甘皮を切って、バフで磨く。『爪が手入れされていなくて恥ずかしい
思いをした』という財界人も多いですよ」(同)。
同店では顔のマッサージやパックも人気で、村儀さんは、「少し時間を
割くだけで、リフレッシュできる。肌だけでなく、表情も明るく元気に
なりますよ」という。第一ホテル東京の理髪店「ビューレックス スカイ」
では、指圧シャンプーやボディーマッサージなどが組み込まれた基本の
「カット癒しコース」に加え、多彩な追加メニューを用意。特に爪の手入
れは「指先がきれいだと若く見えるようで、女性社員のうけもいい」
(東京都江戸川区の会社経営・62歳)「最初は照れくささもありましたが、
今や身だしなみのひとつ」(横浜市の会社員・43歳)とファンが多い。
また、ツインローラーという器具を使用しての顔のエステ「顔締〆」も人気で、
運営するスカイの張替専務は「顔のラインが引き締まり、顔が若返ると人気です」
という。こうした男を上げるリラクゼーションメニューの多い理髪店(表)の
ファンは増加中だ。その背景を張替専務は、「大人の男性向けファッション雑誌の
人気で、『男を磨く』ことに抵抗がなくなっている。しかも、床屋さんという今
までも利用していた場所なら、爪の手入れやエステも照れずに受けられるという
利点がある」と分析する。
今や、理髪店は「リラックスしながら、男が明日の活力を充電する場所」(村儀さん)。
「近所の理髪店で、カットするだけ」というアナタ。理髪店で調髪以外のメニュー
に挑戦すれば、“ちょいモテおやじ”も夢じゃない?
http://www.sanspo.com/gourmet/club/060625.html