【風景】絶景と歴史と精密さ 標高日本一…海の道しるべ余部埼灯台 初めての見学会 兵庫(写真)[060329]

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1依頼31@夏まっさかりφ ★

◇絶景と歴史と精密さ 標高日本一…海の道しるべ余部埼灯台

日本一の標高を誇る余部埼灯台(香美町香住区余部)が初めて建てられてから
五十五年。県建築士会浜坂支部が支部創立の五十周年を記念して、普段は
立ち入り禁止の灯台内部の見学会を開いた。訪れた約七十人が、大型な装置の
精密さに驚きながら、“海の道しるべ”の歴史に思いをはせた。(岩崎昂志)

車でふもとから十分以上。白い灯塔は、山の頂上付近の広場北端に直立していた。

一九五一年三月二十五日に初点灯。海水面からレンズまで二八四・一メートルと、
全国で最も高い。塔自体は高さ約一四メートルで、当初は鉄板の外壁だった。
八五年、鉄筋コンクリート製の二代目に。

旧灯台の建築資材運搬は、地元の御崎地区の住民らも手伝った。同地区の
岡辻さんは「村人も総出で、鉄板を背に山道や階段を汗まみれで登った」と
懐かしむ。「完成した灯台は村の誇りだった」

     ◆

十五秒に一度の瞬きを、四十キロ以上離れた海まで届けるこの塔には、
無人化された六一年まで海上保安職員らの「灯台守(とうだいもり)」が住んでいた。

京都府舞鶴市の梅本弘志さん(72)は五六年春から翌年秋まで勤務した。
レンズを磨き、バッテリーを充電する。モーターが壊れて、夜通し手動でレンズを
回転させたこともあった。

漁から戻った地元の漁師に「余部まで帰ると、ほっとする」と言われたことが
梅本さんの誇りと言う。「人生で一番充実した時間だったかもしれない」と
目を細める。

     ◆

見学会の日、灯台のらせん階段を登る。灯室に入ると、背丈を超える
透明の大型レンズがそびえていた。装置の大きさや周囲の絶景に
参加者からため息が漏れる。

香美町の香住中三年、秋山君は水銀槽に浮くレンズに触れ、
「こんな大きいのに、指一本で動くんだ」と驚いていた。

余部埼灯台では、五年前から五月に「灯台まつり」が開かれ、
来場者が灯台や景色を楽しむ。

ソース(神戸新聞)http://www.kobe-np.co.jp/chiiki/tj/0000012425.shtml

▽光源を包むフレネルレンズ。この仕組みで真っすぐな光を放つ
http://www.kobe-np.co.jp/chiiki/tj/Images/00012426.jpg
▽旧灯台跡のコンクリート台から、隣にそびえる現灯台を見上げる
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▽雪をかぶってたたずむ初代灯台
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