◇心に彩り、大人の塗り絵 脳を活性化/癒やし
「大人の塗り絵」が、にわかに注目を集めている。書店に特設コーナーができたり、
デパートの文具売り場で色鉛筆の売れ行きも伸びている。子供向けと違い、
名画や風景など高度なものもあって奥が深い。指先や視覚を使うことが脳に
刺激を与えるうえ、心の癒やし効果も期待でき、五十−六十代を中心に
幅広い年代で愛好者が拡大している。
東京・日本橋の高島屋東京店では、書籍売り場に「大人の塗り絵」の
特設コーナーが設けられ、約二十種類の塗り絵本が並ぶ。売り場担当者によると、
「当初趣味のコーナーに置いていたが、徐々に売り上げが伸び、昨秋から
特設コーナーに移した」という。
きこ書房(東京)が昨年十月、介護現場で塗り絵による機能回復を実践する
杏林大医学部の古賀良彦教授に執筆を依頼して『脳をリフレッシュする大人の
ぬりえ』(千百五十五円)を出版。竹書房(同)も『大人のぬり絵 脳いきいき』
(千円)を発刊するなど塗り絵本が続々登場した。
きこ書房の本の下絵は、ゴッホのひまわりやダビンチのモナリザなど十一作品の名画。
集中力やリラックスなど脳への効果を絵で分類して人気を呼び、「二万五千部を
売り上げた」(高松里江編集長)という。
文具の売れ行きも伸びている。子供向けの十二色鉛筆は前年並みだが、
「二十四色や三十六色は売り上げ倍増。大人が買っている証拠」(トンボ鉛筆)とし、
水彩画風に描ける水彩色鉛筆も「前年比二割増」(ぺんてる)と好調だ。
愛好者は高齢者だけではない。川崎市の女性会社員は「人の名前が思いだせず、
これはいけないと塗り絵で鍛えることにした」と始めた動機を語る。脳の活性化に加え、
「ストレス解消の癒やし効果があり、愛好者が二十−三十代の女性にも増えている」
(高松編集長)とか。ただ、あまりに凝ると逆効果かも?
ソース(産経新聞)
http://www.sankei.co.jp/news/morning/13iti002.htm