◇通年収穫“温泉イチゴ”
真庭市下湯原の第3セクター「湯原ファーム・バーデン」(池田輝美代表)は、
湯原温泉の湯を室内温度調節用に利用し、1年間を通して収穫できる
新種イチゴの栽培に成功した。3月中旬からは本格的に出荷できる見込みで、
“温泉イチゴ”としてPRしたい考え。県は「年間を通して収穫できるイチゴは
全国的にも珍しいのでは。販売経路が開ければおもしろい」と期待を寄せている。
新種イチゴは、徳島県阿南市の業者が昨年までに開発した
「パーフェクト・ストロベリー」(仮称)。通常の品種は12月から
翌年6月までが収穫時期だが、「株が弱る夏や秋でも収穫可能」
として農林水産省に新種登録を申請している。
池田代表らが業者から苗を仕入れ、昨年10月から約200平方メートルの
ビニールハウスで栽培。しゃがみ込んで作業する必要のない「高所栽培」を
取り入れ、高さ約1メートルに栽培棚を設置し、約1000株を植えた。
棚の下にはパイプ数本を通して温泉の湯を引き、室内の温度を15〜20度に
設定。温度が13度以下になると自動的に湯が流れ、20度を超えると湯が
止まる仕組みにしている。
さらに、果実の葉が腐るウドンコ病や害虫駆除に効果があるとされる発光線も設置。
青色に発光する特殊線で、棚の上部数か所に張り巡らした結果、これまで葉も
ほとんど枯れていないという。また、夜間約3時間は室内を明るくし、
果実の成長を促している。
ハウス内では2月中旬から連日、イチゴの実が赤く色づき出し、ピンポン玉大に育った。
3月中旬には、地元の特産品を販売する隣接の「ひまわり館」に1箱15個入りパックで
並べる予定。
JAなどによると、イチゴは県内では70ヘクタールで栽培されているが、どの品種も
出荷時期は冬から初夏ごろまでで、池田代表は「年間を通じて湯原温泉の
ホテルや旅館にも出荷し、PRしたい」と話している。
ソース(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/okayama/news001.htm ▽温泉を引いて温度調節したハウス内で、赤く色づきだした新種のイチゴ。
年間を通して収穫できる品種に期待がかかる
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/okayama/img/news001_2.jpg