県内のリンゴ生産者が、オーストラリアで生まれたリンゴ「ピンクレディー」の栽培に乗り出
す。
色の鮮やかさなどから世界的に人気を呼んでいるリンゴで、日本での栽培は初めて。
生産者らは1日、安曇野市に企業組合「日本ピンクレディー協会」を設立。
18日にオーストラリアの生産者でつくる会社と栽培契約を結ぶ予定だ。
ピンクレディーは、西オーストラリア州の研究機関が開発。
濃い赤色の晩生種で、酸味が強く、貯蔵性に優れているのも特徴だ。
日本でも品種開発などに広く利用される「ゴールデンデリシャス」と、オーストラリア原産の
「レディーウイリアムス」を交配させて生まれた「クリップスピンク」のうち、着色や糖度な
どが一定の基準以上のリンゴに付けられる商標名として定着している。
ピンクレディーは、これまでに米国やニュージーランド、イタリア、フランス、南アフリカな
どで栽培。
日本では、今回のピンクレディーの栽培計画とは別に、2001年から、県果樹試験場(須坂
市)などの研究機関がクリップスピンクを試験栽培している。
日本ピンクレディー協会は、県内のリンゴ生産農家9人と種苗業者1人で構成。
オーストラリアの生産農家と交流のあった安曇野ファミリー農産(安曇野市)の中村隆宣社長
が、県果樹研究会青年部のメンバーに呼び掛け、3年ほど前から具体的な交渉を進めてきた。
同協会は18日、ピンクレディーの品質管理などを行うオーストラリアの生産者でつくる会社
と、栽培・商標使用の契約を安曇野市内で結ぶ。
協会は同社に対し、栽培する苗木や果実の量に応じて使用料を支払う。
協会のメンバーは3月下旬から、それぞれの農地に苗木を植え、収穫は3年後になる見通し。価格は、ふじなどに比べ、2−3割高いという。
同協会の代表を務める中村社長は
「栽培契約によるリンゴの生産は世界的な流れ。
ピンクレディーの名前も魅力的で、ふじなどと販売時期が重ならないメリットもある」
と話している。
ソース
http://www.shinmai.co.jp/news/20060302/KT060301BSI090001000022.htm 画像
http://www.shinmai.co.jp/news-image/KT060301BSI0900010000221.jpg