◇料亭参入、1万円も登場…豪華カレー、ブームの兆し
市販のルーを使えば家庭で手軽に調理でき、子供にも人気が高いカレーライスに最近、
異変が起きている。老舗料亭やフランス料理店などが次々に参入。食材にこだわった
1万円のプレミアムカレーも登場した。ラーメンブームの次の主役は豪華カレーかも?
▽老舗の味
大阪市中央区の老舗料亭「船場吉兆・心斎橋店」。「気軽に料亭の味を楽しんで」
と昨年9月、20食限定で昼食にカレーの販売を始めた。
カツオと昆布のだしや西京みそなどを隠し味にした和風のルーに、兵庫県のブランド牛
「三田牛」のロース肉や、鹿児島産サツマイモなど10種類以上の野菜が入る。
2100円と高めだが、老舗の“変化球”を楽しめると人気を集め、毎日ほぼ完売。
川浦訓好(かわうら・のりよし)マネジャー(43)は「女性同士やカップルなど広い層
から評判がいい」。
1万円のカレーを販売しているのは「横濱カレーミュージアム」(横浜市)。最高級の
米沢牛や40種類のスパイス、隠し味にコンクールの金賞受賞ワインなど、一流の
食材をそろえた。
昨年9月に1カ月限定で発売したが、予想外の人気に予定を変更、販売を続けている。
同館は「懐に余裕のある層にもカレーのすそ野が広がっている」と分析する。
▽裏メニュー
コースにカレーを取り込み、好評を得ているフレンチレストランも。東京・代々木の
「コム・シェ・ヴ」のランチコース(2310円と3465円)は、メーンディッシュを肉、魚、
カレーの中から選ぶ。
具のまったく入っていないサラサラのカレーは、牛のすね肉と十数種類の野菜を
8時間煮込んでつくるブイヨンに、ルーとワイン、スパイスを加える。「カレーの
概念ではない。フランス料理の優れたソース」とシェフで店主の
古賀義英(こが・よしひで)さん(43)。
もともと、夜のコース料理を食べ終えた客が希望した場合に出す「裏メニュー」だった。
口コミで評判が広がり、昨年夏には銀座にカレーをメーンにした「ラ・ソース古賀」も
出店した。
こうしたブームの兆しに、カレーの食べ歩きやレシピの著書が多い料理研究家、
水野仁輔(みずの・じんすけ)さん(32)は「ラーメンのように、さまざまな食材で
スープを取るこだわりの店が増えるのでは。“高くてもいいからおいしいものを”
というニーズはますます高まるでしょう」と話している。
(共同)
ソース(産経新聞)
http://www.sankei.co.jp/news/060220/sha032.htm