◇知ってトクする暮らし百科:戸建て木造住宅の光熱費節約術
寒さが厳しかった今冬は、例年に増して光熱費が気になった。なかでも木造の戸建ては
高気密・高断熱設計でないと、なかなか暖かくならず、暖房器具もフル回転したのではないだろうか?
冬は暖かく、夏は涼しく、しかも省エネルギーで過ごせる住宅のミニリフォームや節約術などを探した。
◇窓は断熱ガラスに交換
せっかく暖まった部屋の熱が逃げやすいのが窓ガラス。この窓ガラスを変えるだけで、冷暖房の効率を
上げられる。住宅リフォーム会社などが紹介するのが、2枚のガラスで空気を挟んだ「複層ガラス」と
ガラス間を真空にした「真空ガラス」。
複層ガラスなら、逃げる熱量は一枚ガラスの約半分、真空ガラスは4分の1程度で済む。ただし、
複層ガラスは厚みが12ミリ以上あり、薄い一枚ガラスのサッシに取り付けるにはアタッチメントで
額縁のように固定しなければならない。
住宅リフォームを手掛ける住友林業ホームテック(東京都)営業推進部の山田聖さんは「既存の
アルミサッシをそのまま使うなら、厚さ6ミリの真空ガラスを勧めます」と話す。日本板硝子の
真空ガラスは特殊金属膜(Low−E膜)で室内の保温性を高め、標準タイプが1平方メートルあたり
3万1500円程度と高価。だが、約125平方メートルの戸建てで算出した場合、年間冷暖房費は
東京で、一枚ガラスより2万1000円得する(同社調べ)という。
真空ガラスより、安価にリフォームできるのが二重窓。「窓の内側に樹脂サッシ窓を取り付けるだけで
断熱や結露防止の効果があります」と山田さん。二重窓は高さ1メートル、幅1・3メートルの
引き違い窓(2枚)で約4万円。ガラスだけでなく、サッシを樹脂などを使った複合サッシに替えれば、
窓全体の断熱効果も高まる。
◇夏は日よけ
70年代に建てられた木造住宅は断熱材がほとんど使われていない。第2次オイルショック後の80年に
制定された旧省エネ基準で、床、壁、天井への断熱材施工が奨励されたが、北海道や東北を除き、
施工率は2年後も新築で2〜6割にとどまった。
80年代まではフローリングも1枚板が大半といい、「断熱材を入れて合板を張れば暖かさは随分違う。
予算が許せば床暖房を。天井近くは暖かく足元は冷えたままの『コールド・ドラフト』を解消できます」
と山田さん。
台所の勝手口が床から一段下がったコンクリート造りだと、床下の冷気が部屋に伝わってくる。はめ込み形の
床を作って、たたき部分を覆うだけでも室内の暖かさは違う。換気扇は、給気と排気を同時に行う
熱交換型にすれば、熱が逃げるのを防ぐことができる。
夏の暑さ対策としては、雨戸代わりのシャッターを通気孔が開くタイプにすれば、人目を気にせず窓を開けて
風を通すことが可能だ。また、窓の外にキャンバス地の開閉式日よけを設置し、直射日光を遮れば、冷房効果
も上がる。文化シヤッターの製品の場合、間口1間に1メートルの布を張り出す手動式で14万円台から。
◇ガス、電気は割引プランを
長時間使う床暖房がガス温水式なら、割引料金プランを検討しよう。東京ガスの家庭用ガス温水床暖房契約
「暖らんぷらん」の場合、冬期(12月〜4月検針分)に給湯や台所も含む1カ月の全ガス使用量が20立方
メートルを超えると、基本料金と基準単位料金が共に一般料金より安くなる。東京地区で1カ月に50立方
メートルを使用した場合は約7・9%割安になる。
(中略)
ガス、電気、灯油にかかわらず冬に使用量が増えるのは、水温が低く、台所、風呂、床暖房に使う湯を沸かすのに、
よりエネルギーが必要になるからだ。東京ガス広報部社会文化センターの鹿野陽子さんは「家族で続けて入浴する、
パスタと野菜を同じ鍋でゆでるなど、一度沸かした湯を大切にすることを心掛けると、節約につながる」と話す。
電気会社の料金メニューもさまざま。共働きで昼間は不在だったり、電気温水器や
IHクッキングヒーターを使っているなど、暮らし方に応じた割安メニューを選べる。
ソース(毎日新聞)
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/katei/news/20060218ddm013100127000c.html