◇耳かき、奥が深い! ネットで語るエステで癒やす
耳かきが今、熱い。多様な耳ケア商品が店頭に並び、「耳エステ」なるサービスも登場。
インターネットでは「ミミカキスト」が“至福の体験”を語り合う。耳かきへの情熱とこだわりは
高まる一方のようだ。
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東京・南青山に昨年6月オープンしたエステティックサロン「レスプランディール」。都心の
ホテルの理容室で耳掃除の技を磨いた代表の高橋さんが、マッサージなどを加えた
「イヤー(耳)エステ」に腕をふるう。
「たかが耳」とあなどってはいけない。かける時間は70分。まずは蒸しタオルを当て、
ジェルを使ったマッサージを施す。血行をよくし、緊張をほぐしてから産毛そりへ。
耳のふち、耳たぶ、耳の中と、細いカミソリを小刻みに動かしてそっていく。
ここからが耳かき。先が平たいもの、細いものなど約10種の耳かきを使い分けて耳あかをかき出し、
綿でくすぐるようにゴミを払う。さらに化粧水をしみこませた綿で耳の中をぬぐい、耳から目、ほお、
おでこ、肩までのツボを丹念にマッサージ。ここまでのフルコースで料金は8400円から。
(中略)
高橋さんは「子どものころにお母さんにやってもらった耳掃除は、安らぎの象徴でしょう。
お客さんの反応を見ていると、『癒やし』は耳をなくしては語れない気がします」という。
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ネットでは、耳かきを愛する「ミミカキスト」たちが、新製品の使い心地や、とれた耳あか自慢を
繰り広げている。500本以上の耳かきを所有し、「耳かきがしたい」(ジャイブ)の著書もある
フリーライター上野玲さん(43)は、その魅力を「忘我の境地」「プチ桃源郷」と表現する。
(中略)
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ただ、耳の中は非常にデリケート。理容師に耳掃除や毛そりを禁じている府県もある。一般向けの
耳鏡(ライト付きの拡大鏡)と柄の曲がった短い耳かき棒のセット「ミミール」を開発し、4年前から
販売している「ミミール耳鼻咽喉(いんこう)科クリニック」(新潟県長岡市)の納谷医師は、「まずは見ることで、
耳の中のことを知ってもらいたい。深い所についた耳あかの除去は専門の医師にまかせるべきです」と強調する。
日本耳鼻咽喉科学会理事の森山寛・慈恵医大教授(57)も、「耳の穴の皮膚は非常に薄く、硬い耳かきで
傷つけて炎症を繰り返すと、かえって耳あかがたまり、悪循環に陥りかねない」と指摘。「通常、耳の奥にあるあかは
手前に移動してそれほどたまらない。学問的には耳かきは必要ないが、どうしてもしたければ、そっとなぞる
程度にとどめるべき」と話している。
(以下省略)
ソース(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/mixnews/20060218ok02.htm ▽約10種もの耳かきを使用する「イヤーエステ」
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/zoom/OK20060218150344157L0.htm