古今東西の多様なラブストーリーに胸ときめかせてみませんか―。芦屋市伊勢町の市立図書館が、
今月号の図書館だよりで、同館が所蔵する恋愛ものを紹介している。もうすぐバレンタインデー。
「二人で甘い物語を味わってみては」との計らいだ。(西井由比子)
同館は分室二館を含めて約三十五万冊を所蔵。毎月発行される図書館だよりでは、同館の二川幸広
主査(52)が中心になって新着図書のほか、季節や流行にまつわる本を紹介している。
今月号のテーマは「純愛」。昭和三十年代に“純愛ブーム”を巻き起こした二冊と、同市に残る悲恋の
伝説を取り上げた。
身分違いの恋を描いた「絶唱」(大江賢次著)と「愛と死をみつめて」(大島みち子著)。後者は不治の病
軟骨肉腫に侵された著者と恋人との往復書簡を集めたもので、百四十万部のベストセラー。映画化もされた。
「恋をテーマにした新作本は書店でいくらでもあるが、旧作品を手にできるのが図書館の魅力」と二川さん。
二川さんのお薦めは、神戸市東部から芦屋が舞台の悲恋の伝説など十二編をまとめた「芦屋と古典
文学」(兵庫県芦屋市立教育研究所編)。二人の男性から求婚され心を痛めた少女が自殺、それを知った
男性二人もまた命を絶つという伝説は、万葉集の歌にも詠まれた。
二川さんは「バレンタインデーを前に、ぜひ郷土の恋物語を知ってほしい」と話している。
◆URL 神戸新聞2月3日
http://www.kobe-np.co.jp/chiiki/ha/00047726ha200702031000.shtml