【東京】あのころの『わたし』に会いに日の出町へ 『少女まんが館』巡礼

三十〜四十代の女性たちが、ひそかに奥多摩を詣でている。行く先は東京都日の出町の「少女まんが館」。
捨てられる寸前の少女漫画を集めた私設図書館だ。人気作品の映画化が相次ぐなど、世は空前の少女漫画ブームだが、
ごく最近まで「漫画文化」からもないがしろにされた存在で、系統だった保存すら進んでいない。
懐かしい作品との再会を願い、“少女”は都の果てを目指す。

「いっぱいある！」川崎市多摩区の主婦木村ハルミさん（３９）は、ずらりと並ぶ漫画や雑誌にくぎ付けになった。
「昔好きだった西谷祥子さんの作品をまた味わいたくなって。でも古書店を回ってもなかなか見つからない」とこぼす。
西谷さんは一九六〇、七〇年代を中心に集英社の週刊マーガレットなどで活躍した人気漫画家。
近年、復刊された作品もあるが、ほとんどが絶版となっている。木村さんは「大好きだったものも、当時、
田舎の本屋さんで手に入れられなかったものも、全部ある」とうれしそうに話した。

都心から電車とバスを乗り継ぎ三時間近く。少女漫画の“聖地”は、飛行機で沖縄や北海道に行くより遠い東京にある。
明治時代の古民家を補強した同館は、玄関からすぐの六畳間が二千五百冊が並ぶ開架式の図書室。
ちゃぶ台のある続きの六畳間が閲覧室で、ほかに計十六畳ほどある部屋、家中の押し入れや物置の「書庫」に二万冊以上が詰まっている。

「十年ほど前、姉や妹たちと昔読んだ少女漫画の話で盛り上がったとき、もう一回読みたい作品の数々が入手困難なことに気づいた。
世界でも類のない文化なのに、ほっておくと失われる。『まずい』と思いました」

同館を管理する作家の中野純さん（４４）が振り返る。館長は妻の大井夏代さん（４４）で、
建物の一部で暮らしながら夫婦で運営している。
「漫画」文化の主流は常に少年漫画だった。中野さんは「大島弓子さんや萩尾望都さんなどごく一部が注目されるくらいで、
少女漫画は長らく大人社会から『くだらない』読み物と扱われた。
ちゃんと少女漫画を読んでいる漫画評論家が登場したのも最近で、古書店でも値段が付かない“ゴミ”扱いだった」と説明する。

六〇〜七〇年代の少女漫画が捨てられる一方であることに危機感を抱き、
九七年にパソコン通信で知り合った仲間らと漫画を持ち寄って始めたのが同館だ。
日の出町の空き家を提供してくれた人がいて、まずは「倉庫」として始まった。

世田谷区在住だった中野さんらは、仕事の合間に通って整理したが「住まないと管理できない」と腹をくくり、
二〇〇一年末に引っ越した。念願の一般公開は〇二年八月から。手弁当での運営だけに、中野さんは
「長く続けるために無理はしない」と苦笑する。

訪れるのは、当初は近くの小学生ばかりだったが、最近は七割が大人という。
やはり六〇〜七〇年代に読者層だった三十〜四十代の女性が中心だが「読みたくても貧しくて買えなかった」という年配の女性もいる。

蔵書の大半は全国のファンからの寄贈で、現在も活躍する一条ゆかりさんや池田理代子さんの貸本時代の貴重な作品もある。
単行本化の際、大幅に改稿されたことで知られる美内すずえさんの「ガラスの仮面」は連載誌をそろえ、来館者を小躍りさせている。

寄贈を受けるうちに、大人になっても書棚に残す作品と手放しがちな作品の傾向もみえてきた。
「なかよし」「少女フレンド」など講談社のものが手に入りにくいという。
中野さんは「誰かが研究するかもしれないが、その前にまずはちゃんと残しておきたい」と力を込める。

大井さんは言葉を引き取り、続けた。「“女こども”の生きた文化は、誰も読まない文学ではなく、
数百円の少女漫画の中にこそ息づいている。社会的に認められなくても、決してなくならない。
けど、もう少し正当に顧みられてもいい」

http://www.tokyo-np.co.jp/00/thatu/20060131/mng_____thatu___000.shtml

補強した畳の間に並ぶ少女漫画
http://www.tokyo-np.co.jp/00/thatu/20060131/20060131thatsu.jpg

※ご依頼いただいたスレです。

うわぁ、行ってみたい・・・・
でも遠いなぁ、九州からだとなぁ・・

奥多摩か・・・
車で一時間半ぐらいだな

ｶﾞﾗｶﾒの連載誌せいぞろいしてるんだったらすごいですねー

８８年から１０年分花とゆめがあるんだけど、持ってたら引き取ってくれるのかな…？

こりは30歳以上の人にはたまらないのでは？