喫煙率の高い看護職の職場で、ナースたちの禁煙を後押しする動きが広がっている。
病院内に禁煙サポートチームが誕生したり、携帯電話に禁煙のアドバイスメールを送信するサービスが
登場したり。「健康を守る専門職として禁煙は不可欠」と、日本看護協会(東京)も対策に本腰を入れ
ている。
埼玉県春日部市にある「春日部中央総合病院」で看護部副部長を務める竹内由美さん(45)は200
4年12月、20年以上続いた喫煙生活に終止符を打った。就職後、夜勤中に先輩ナースから勧められ
たのがきっかけで、1日20〜30本を吸っていた。「夜勤時には15時間以上の労働になる。一休み
した、という実感が欲しくてついたばこに手が伸びた。禁煙したいという思いは常にあった」と竹内さん。
禁煙を決意したのは02年10月。病院内に看護職の禁煙を支援する「チームニコレット」が発足し、
管理職の一人としてメンバーに選ばれたのがきっかけだった。
竹内さんはまず生活を振り返り、いつ、どこで喫煙したかを記録してみた。すると、食後や自宅の“定位
置”に座った時など、吸う時間や場所が自覚できるようになった。そこで、食後に一服出来ないよう用事
を作るなど、「吸うスキを与えない」生活を実践し始めた。徐々にたばこの数は減り、「卒煙」できた。
「たばこは生活習慣。だから生活を見直すことが大事」と竹内さんは話す。
検査技師などを含む3人で運営するチームニコレットでは、看護職を対象にしたたばこの学習会を開いた
り、禁煙希望者のカウンセリングを行ったりしている。禁煙補助具のガムやパッチは推奨せず、禁煙希望
者の生活習慣や意識を変える手伝いをするのが特徴だ。こうした活動の効果もあって、同病院での看護職
の喫煙率は02年の38%から05年には27%に下がった。
インターネットを使い、ナースの禁煙支援に取り組む民間団体もある。「禁煙マラソン」では、昨秋から
「ナース禁煙マラソン」を始めた。携帯電話やパソコンに禁煙のアドバイスや励ましのメールが約6か月
間、定期的に届くサービスで、現在20〜60歳代の約100人が利用中。
先輩らの経験談や助言が得られる掲示板などもある。学生を含む医療従事者の女性が対象で料金は無料だ。
(後略)
全文
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/mixnews/20060112ok06.htm 「地域での禁煙支援も積極的にやっていきたい」。
「チームニコレット」のメンバーと共に意気込む竹内さん(左)
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/photo/OK20060112122157708L0.jpg