もうすぐクリスマス。レストランでの食事もいいが、家庭でおいしくステーキを焼いてみてはどうだろう。
東京・六本木でフランス料理教室を主宰するダニエル・マルタンさんに、焼き方のコツと簡単なソースを教えてもらった。
スーパーなどで手軽に買える輸入牛からぜいたくな霜降り和牛まで、ステーキ用肉にもいろいろある。
肉質に合わせた焼き方やソースを知っていれば、おいしさも増す。
マルタンさんは、オーストラリア産牛の赤身肉(厚さ約3センチ)と高級和牛肉(同約2センチ)を用意した。
鉄則は「フライパンをよく熱すること。肉の質に合わせてフライパンにひく油の量を調節する。
火は強火でいい。それだけです」とマルタンさん。
フライパンの加熱が足りないと、肉の水分が出て、焼き上がりが白っぽくなる。
今回の焼き時間はミディアムレアからミディアムの状態にする目安。
肉の厚さによって調節をする。
肉の両面に軽く塩、コショウをふっておく。
まずは脂ののった和牛から。
薄めで、焼くうちに脂も出てくるのでさっと火を通す。
〈フライパンにサラダ油を薄くなじませたら、その油は捨てる。片面につき2〜3分ずつ焼く。表面にやや焦げ目がつく程度で〉
厚みのある赤身肉は、やや焼き時間を長めに。脂肪分が少ないので、油の量を少し増やすのもポイントだ。
〈サラダ油はフライパン全面になじむ程度に薄くひく。焼き時間は、片面につき4分程度。
焼き上がったらフライパンから出して少し置くと、肉汁や血がなじみ、肉の中の色合いが鮮やかになる〉
フライパンに押しつけるのは、肉がつぶれてしまうので禁物。ミディアムレアの場合、
切るとふちが桜の花のような薄いピンク色、中心部は肉汁があふれ出さない程度に赤みが残っている。
「あっさりした赤身肉には味の濃いソース、和牛は脂ものって肉質も良いので、さっぱりと食べてください」とマルタンさん。
グラスドビアンドは、肉汁を煮詰めてペースト状にした調味料。ドミグラスソースで代用できる。
その場合は煮詰める時間をやや長めに。
赤身肉には、赤ワインのソースを。
〈鍋に赤ワインと3ミリ角に刻んだマッシュルームを入れ、強火で水分がやや残るまで煮詰める。
水を加えて再び熱し、煮立ったら火から下ろし、無塩バター、フォンドボーパウダー、
グラスドビアンドを加え、余熱で溶かす。塩、コショウで味を調える〉
和牛に合うポルト酒とバルサミコ酢のソースは、ほのかな甘みと酸味が特徴。
〈ポルト酒とバルサミコ酢を鍋に入れ強火にかける。カラメルのようにとろりとするまで煮詰め、
グラスドビアンドを加え、余熱で溶かす〉
岩塩(粗塩)50グラム、粗びき黒コショウ10グラム、マスタードの種、
チャイブ(万能ネギでも)各小さじ1杯を混ぜたスパイス塩も和牛に合う。
「ソースを作っている間に肉を焼けば簡単です。楽しく作って、食べてください」とマルタンさんは話している。
http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/news/20051216gr01.htm 赤身肉のステーキ。マッシュルームとホウレンソウのバターソテーを添えて
http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/photo/GR20051216092349839L0.jpg