飛騨地方のしゃれたレストランや若い夫婦の間で、薪ストーブの人気がじわりと広がっている。
建物全体が暖かくなるのはもとより、心地よいインテリアとしても重宝される。
さらに今年に入り、自動車エンジンなどにも採用されている
燃焼効率がよいリーンバーン(希薄燃焼)方式の新型ストーブも登場。注目を集めている。
高山市にある北イタリア料理の店「ラ フェニーチェ」で11月下旬、
最新型のリーンバーン方式の薪ストーブに初めて火がともった。
同店は今年7月にオープンしたばかり。薪ストーブ販売施工店「Bee」(飛騨市)の
志田悟さん(48)のアドバイスもあり、設計段階から薪ストーブを置くことを決めていた。
高山市出身で、神戸などで修業してきたオーナーシェフの西野勝也さん(45)は
「リーンバーン方式だったら環境にも優しいし、何よりも店の雰囲気を良くしたかったから」と話す。
オープン当初からこのストーブが注目され、客から「いつから使い始めるんですか」などと質問されることも度々。
「店のいい宣伝にもなりました」と喜ぶ。
西野さんの店と同じリーンバーン方式のストーブは、
薪ストーブの輸入販売会社「ダッチウエストジャパン」(北海道帯広市)が、今年1月から販売している。
北米地域で昨年初めに発売されたものだ。
1時間に出る煙の量は1・3〜1・5グラム程度で最小限に抑えられている。
一方で連続燃焼時間は10〜14時間と従来型の倍以上もある。
これまでリーンバーン方式を薪ストーブで使おうとすると、燃料として燃える煙成分(すす)が薄いため、
着火しづらく、燃焼が不安定という問題点があった。
最新型は、より多くの空気を高温にして、さらに煙成分を4次燃焼まで再燃焼させることで
少ない煙成分で長時間の安定した燃焼を可能にした。
火室に耐火セラミックを使ったり、セラミックファイバー製の再燃焼ボックスを
火室の後部に組み込んだりと、新技術が生かされた結果だ。
同社の沢渡幸一さん(36)は「これこそ次世代ストーブだ」と胸を張る。
(後略)
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