ジョン・レノンのそっくりさん、ネイル・ハリソンさん(55)は25年以上も偉大な作曲家の物まねをしてきたため、
この有名なもう一人の自分から離れることができなくなってしまった、語った。
ハリソンさんがこの奇妙な仕事を始めたのは、1980年3月。同年12月8日に、ニューヨークのマンションの外で
元ビートルズのジョンが40歳で殺害される9カ月前のことだった。
今日、ハリソンさんと仲間が結成している「ブートレッグ・ビートルズ」は結成当時よりも遙かに人気があり、
これはビートルズの魅力がいまだに衰えていない証拠だ。
ハリソンさんはジョンとしての人生をこう語る。
「最初は一時のお楽しみのために始めたことだったが、止めるのが難しくなってきました。
というのも予想外の成功をおさめ始めたからです。それに私は音楽が大好きですから」
ハリソンさんは、ロンドンのウエストエンドで「ビートルマニア」というショーに出演した後、「ブートレッグ・ビートルズ」を結成した。
今日まで、ブートレッグは、驚くほど本物のビートルズによく似ており、
彼らのウェブサイト(www.bootlegbeatles.com)には様々な時代のビートルズをまねた写真を見ることができる。
ハリソンさんによると、当初、ビートルズのソックリさんバンドというアイディア自体が「悪趣味」で
「ビートルズに対する冒涜」と思われていた。
しかし、ジョンが亡くなり、ビートルズの再結成が不可能になると、反感は少なくなったという。
「昔、まだビートルズの全員が生きていて、再結成の可能性があったころは、奇妙な存在だったと思う。
今とは違い、ほとんど興味を持ってもらえなかった」
ハリソンさんによると、ポップミュージックの歴史で最も有名なバンドの海賊版バンドは世代を超えてアピールしている。
最近行った英国ブリストルでのコンサートでは、観客にいた5歳の女の子から「ペニー・レイン」をリクエストされたそうだ。
「ビートルズの魅力が廃れないのは、当時から音楽があまり変わっていないせいだと思う。
人々はたぶん、ようやくビートルズの音楽が史上最高のポップミュージックだと理解したんだ」
ハリソンさんはブートレッグ・ビートルズとともに世界中を旅しているが、本物と間違われて恥ずかしい思いをしたこともあるという。
1982年、バンドはソ連に招待された。
「多くの人々が私たちを本物と間違えたと思う」
プラハへの旅では、誰かが地元メディアと空港関係者に「ビートルズのハリソン氏がやってくる」と伝えた。
これが誤って本物のジョージ・ハリソンがやってくると勘違いされたのだ。
ブートレッグ・ビートルズはVIPラウンジに案内され、シャンパンを振る舞われた。
その場にいた誰かが「ハリソン氏はどこでしょう?」と質問、ようやくホストは誤解に気がついた。
「いきなり、カクテル・キャビネットが閉鎖され、私たちは手荷物カートとともに置き去りにされた。
予約されていたリムジンもキャンセルされちゃったよ」
8日のジョンの死から25年を記念して、ハリソンさんは善く9日のギグでジョンの「イマジン」を演奏する。
ブートレッグ・ビートルズはこれまで演奏する曲をビートルズの曲に限定、
絶対に各メンバーのソロ作品をやらないのが伝統だったが、今回だけは例外だという。
ハリソンさんは、ジョンを演じない自分を想像することすらできないという。
「わたしはジョン・レノンがジョンを演ずるより長くジョンを演じているんだ」
http://www.excite.co.jp/News/odd/00081134028547.html 写真はハバナにあるジョン・レノンの銅像
http://image.excite.co.jp/feed/news/extnews/extnews_2005-12-08T072051Z_01_NOOTR_RTRIDSP_2_OUKOE-UK-LENNON-IMPERSONATOR.jpg