イワシやサバなどの青魚に多く含まれる油の成分をとると心臓病になるのを
減らす効果があることが、日本人約2万人を対象にした大規模臨床試験で
確かめられた。横山・神戸大教授(循環器病学)らが、米テキサス州ダラスで
開催中の米国心臓協会学術集会で14日、発表した。
横山さんらは総コレステロール値が250ミリグラム(血清1デシリットル当たり)
以上の男女1万8645人を対象にした。全員にコレステロールを下げる薬を
処方した上で、半数の人には魚の油成分、イコサペンタエン酸
(EPA、エイコサペンタエン酸ともいう)を抽出した高純度のカプセル薬も
毎日飲んでもらった。
約5年間の追跡期間中に心臓突然死や心筋梗塞(こうそく)などの心臓病が
起きた人の割合は、EPA薬を飲まなかった人では3.5%、飲んだ人では
2.8%。EPA薬の服用には、こうした心臓病のリスクを19%減らす
効果があったという。
日本では欧米に比べて心筋梗塞などの死亡率が低い。魚を多く食べる食生活が
一因と指摘されていたが、大規模な臨床試験で確かめられたのは初めて。
今回の臨床試験に使われた薬はすでに、高脂血症などの治療薬として
医療現場で医師が処方している。
ソース
http://www.asahi.com/life/update/1116/001.html