埼玉県上尾市は、駅前の放置自転車をリサイクルし、災害など緊急時用の
自転車として利用することを決めた。市内の小中学校にある防災備蓄庫
三十三カ所に配備する。年内に六十六台の配備を予定している。
放置自転車は海外やシルバー人材センターに譲渡されるケースが多く、
緊急時用のリサイクルは珍しいという。
リサイクルされるのは、JR上尾、北上尾両駅周辺の放置禁止区域に
放置されたままになっていて撤去された自転車。同市では昨年度、
約二千台の自転車を撤去し、うち持ち主への返還分などを除いた千四百台の
多くが廃棄処分になった。状態の良い自転車は市シルバー人材センターが
修理して安価で販売したり、海外に譲渡したりしている。
「ほかに利用できないか」と考え、一部を災害時の地域の連絡の足として
活用することにした。リサイクルのための修理も同センターに委託し、
市の指定避難所や町の自主防災組織などへ順次配備する予定。市交通防災課では
「環境に優しい乗り物として自転車を推進。いざという時に手軽に使える道具として
活用したい」と話している。
県の二〇〇三年度調査によると、県内の放置自転車の年間撤去台数は約十八万五千台。
うち持ち主が現れない五割以上の自転車は大半が廃棄処分となり、再利用されるのは
ごくわずかという。各自治体とも放置自転車の廃棄コストや保管場所に苦慮しているのが実情だ。
草加市では、二年ほど前に新品の赤い自転車を購入して市職員二十一人による
「マウンテンバイク隊」を組織。昨年の新潟県中越地震で現地に派遣するなど交通網がまひした際の
災害時の自転車利用が注目されている。
ソースはこちら
http://www.tokyo-np.co.jp/00/stm/20051020/lcl_____stm_____000.shtml