府内15公立病院で開設 1〜2か月の予約待ちも
女性の患者を女性医師が診察する「女性外来」を開設する府や各市の公立病院が
増えている。大阪市立総合医療センターや吹田市民病院など、府、市立病院31か所
のうち14か所が設けたほか、今月からは枚方市民病院でも実施。男女の性差に
配慮したきめ細かい治療で予約待ちが出るなど人気を集める一方で、
「女性に優しい病院」として、経営難に苦しむ公立病院のイメージアップに
一役買っている。
女性外来は、妊娠・出産、乳がん、摂食障害など女性を取り巻く悩みを女性医師が
幅広く診察し、どのような診療を受ければいいかなどをアドバイスする。
女性外来増加の背景には、男性医師の診察だと「気持ちがわかってもらえない」
「話しづらい」との声や、男女間でかかる病気や、同じ病気でも症状や薬の効き目が
違うなど性差を考慮した医療が必要との認識の高まりがある。
2002年10月から始めた大阪市の十三市民病院では毎週水曜日、患者1人に
つき約30分かけて診察。今年7月までに約1800人が受診し、現在も1〜2か月の
予約待ちが続く状態で、同病院は「医師がじっくり話を聞くことで、安心と的確な
診療を提供できる」と強調する。
一方で、各地で大型の私立病院などの建設が相次ぎ、公立病院が生き残りを
かけるケースもある。枚方市内には来年、大学病院が開院する予定で、
27億円の累積赤字を抱える枚方市民病院は「公立だからこそできる患者の
立場に立った医療で、地域医療全体の底上げも図りたい」と期待する。
府医療対策課は「前向きな取り組みとして評価できるが、採算性や医師の確保、
技術向上などの課題もある。地域の実情にあった体制を整えることが必要」と
している。
ソース
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/osaka/news001.htm