独特のタッチで人気を集め、世界デビューすることになった画家がいます。
その絵とは、コックピットから見た世界の風景です。
一般人の立ち入り厳禁のコックピットを舞台に、なぜこれほどリアルな絵を描けるのか。
その秘密は、画家の「本職」にありました。
高度3万フィート上空。コックピット前方に雄大な世界が広がります。
この景色を目にすることができるのは、コックピットクルーだけの特権です。
フライトエンジニアの上田哲也さん。1万3,000時間以上のフライトキャリアを持つ
ベテラン航空機関士にして、今注目のアーティストです。
フライトエンジニアはパイロットの後ろで、電気系統などを管理します。
かつて、コックピットには機長と副操縦士、フライトエンジニアの3人が乗務していましたが、
コンピューター化が進み、今はフライトエンジニアが乗務しない機体が主流となりつつあります。
フライトを終えてステイ先のホテルに着くと、上田さんは真っ先にスケッチブックを広げます。
その日の感動が消えないうちに、描き写しておくのです。
コックピットから見た幻想的な世界は、2階のアトリエで作り出されます。
下書きと実際の図面をもとに、ち密に筆を走らせていきます。
96年、上田さんの絵は優れた風景画に与えられる笹倉鉄平賞を受賞し、この夏、
念願の個展を新宿・伊勢丹で開きました。上田さんにしか描けない幻想的な世界に、
訪れた人も思わず吸い込まれていきます。
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http://mbs.jp/voice/special/200510/13_1149.shtml