西京銀行の銭谷さんは、全国で約150行ある邦銀の中で今年6月、女性初の副頭取になった。
再就職支援会社の役員から転身して1年余。お堅いイメージが強い銀行業界では、異例の登用だ。
山口県にある本店の前線基地である東京本部の本部長も兼ねる。
「スピード、現場主義、透明性」が信条。入行してすぐに手がけたのは東京本部の設立だ。
場所の選定から設計、レイアウトまで業者に出向いて交渉。普通なら1年かかるところを正味2カ月間で完成させた。
「職場は戦場」と強調する話しぶりはまさに「戦士」だが、自ら「とことん冷徹になれない人間だ」とも。
副頭取という肩書から想像するばりばりのキャリアウーマンの印象はない。絶えない笑顔と物腰の柔らかさは、
「立場が変わっても私という人間は変わらない」という人柄の表れなのかもしれない。
首都圏での資産運用の拡大などを担うが、「現場こそ情報の宝庫」と山口県内の支店、取引先回りに月の約半分を費やす。
女性行員らの意見をもとに、マンション購入や資格取得の女性向けローンを昨年発売。さらに今夏つくった女性起業家向けローンは、
1カ月余で約3億円の融資残高と好調な滑り出しだ。
こうした取り組みが奏功し、2期連続の増収増益に貢献した。大橋光博頭取は、「期待以上の成果だ。頭取候補もあり得る」と話す。
人事担当として女性管理職の育成にも力を注ぐ。昨秋、総合職3年以上の女性行員に適性検査を実施。女性の管理職がいない審査部や、
資産運用の重点店舗などに幹部候補を配置した。今年4月には、女性支店長が1人から一挙に7人に。全支店長の15%になった。
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