安曇野市豊科の犀川ダム湖で、けがのため北へ帰れずにいたコハクチョウの
幼鳥「フクちゃん」が、無事に一夏を乗り切って成長し、短い距離なら飛べる
までに回復した。もうすぐ訪れる仲間との再会を、今は首を長くして待っている。
フクちゃんは昨年12月、狩猟用の散弾を胸に受け、左翼の骨2本が折れた。
獣医の手当てを受けたものの筋力が落ちて羽も抜け、仲間と北帰行が出来ずに
ダム湖に1羽とどまっていた。
初めての日本の夏を迎えると、草陰に身を隠して暑さをしのぎ、草の根や藻などを
食べて乗り切った。地元の「アルプス白鳥の会」によると、8月中旬には羽の
抜け換えが始まり、左翼に新しい羽が生えた。ダム湖で泳いだり羽ばたくことで
筋力も徐々に回復。9月下旬には、湖面上を約100メートル飛べるようになったという。
フクちゃんの手当てをした市内の獣医、望月さんは「短期間でここまで
飛べるようになったのは驚異的。羽にけがを負って再び飛び立てるようになる
例は少ないが、フクちゃんの回復力に期待したい」と話す。
「アルプス白鳥の会」の原代表は「早く仲間の白鳥が飛来して、
フクちゃんを支えてあげてほしい。そして来年こそは、仲間と一緒に
飛び立ってほしい」と願っている。
ソース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051008-00000147-mailo-l20