全国巡業の大衆演劇一座に八歳で加わった石川県白山市相木町の
林浩実君(9つ)が八月、富山市の公演に登場する。
北陸では初めての舞台に「地元の人たちに成長した姿を見せたい」と意気込む。
その一方で、演劇と出合った白山市の「まっとう車遊館大衆劇場」が
経営難から七月末での閉館が決まり、複雑な心境だ。
車遊館内でラーメン店を営む秀次さん(38)の三男浩実君は
二〇〇三年十一月、劇団美波の芝居に魅せられ入団を志願。
美波大吉座長から「天下をつかんでほしい」との願いを込めて付けられた
「天天(てんてん)」の芸名で、各地での公演に参加している。
巡業先は一カ月ごとに変わるため、小学校も転校の繰り返し。
しかし美波座長は「けいこ熱心で、踊りもさまになりつつある」と評価。
役者としての階段を着実に上っている。
富山公演は八月二日から二十九日まで毎日、富山市城川原の東洋健康ランドで。
浩実君は扇子や刀などを手に着物姿で粋な踊りを披露する。
入団から一年十カ月で地元での公演がかない、浩実君は
「ちょっと恥ずかしいけど楽しみ」と話す。
大衆劇場の閉館については「車遊館の舞台に立つのが夢だったから…」と寂しそうにつぶやいた。
北陸自動車道徳光パーキング内の車遊館に、北陸三県唯一の
大衆演劇専門劇場が誕生したのは二〇〇〇年十月。
飲食店や土産物屋など約五十店からなる館内テナント会の有志が、
集客の核として誘致した。
月替わりの劇団がほぼ毎日、午前と午後に公演してきたが、
二百席が満席になることは少なく、入場者は採算ラインとなる
月二千五百人を下回る平均二千二百人で推移してきた。
谷間祐之支配人は「いつも一番前の席でかじりつくように見ていた浩実君を、
なんとか舞台に立たせてやりたかった」と残念がる。
ソース:
http://www.chunichi.co.jp/00/ikw/20050714/lcl_____ikw_____000.shtml ショタ:
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