最後の将軍、徳川慶喜が飲んだコーヒーを探る「慶喜公ゆかりの地『水戸』で
コーヒーを楽しむ会」が三日、水戸市三の丸の常陽芸文センターで開かれた。
会場には約百人のコーヒー愛好家が詰めかけ、将軍の飲んだコーヒーに思いを
はせていた。
同会は、日本コーヒー文化学会茨城支部と常陽芸文センターの共催で、慶喜の
ひ孫、徳川慶朝さんを招き、コーヒー研究家の鈴木さん、同センターの森田学芸
部長の三人が、当時のコーヒー事情や文献などから慶喜の飲んだコーヒーについて
類推した。「慶応三(一八六七)年三月に慶喜が欧米の外交団をフランス料理で
接待した。その時の献立に『コーヒー』と記され、コーヒーが振る舞われたこと
が分かる。慶喜の弟、昭武がフランス万博に派遣された。同行した渋沢英一が船の
中で飲んだ時、さわやかな味と絶賛した」と語る森田さんに、慶朝さんは
「慶喜は一万五千両をかけてフランスの料理人を雇い、横浜から食器や食料を買い
入れ、外交を行った」と述べた。
鈴木さんは、当時のコーヒー事情から「慶喜が飲んだコーヒーは、インドネシアの
ジャワの豆を使い、フレンチローストで炭火焙煎ばいせんし、大きな鍋で一瞬煮立
てて布でこすドリップに近い方法をとったと推測する」と述べた。
また、慶朝さんが自ら焙煎した豆を使い、慶喜の飲んだと思われるコーヒーを再現。
「苦みの強い豆のため、少し低めの温度でゆっくりと注ぐ」と、こつを披露した。
会場の参加者たちは「苦みがあるが、甘みもあり、味に幅があって飲みやすいコーヒー」
と、幕末のコーヒーをじっくり味わっていた。
ソースは
http://www.ibaraki-np.co.jp/main/daily04.htm