今月14日、経済産業省・中小企業庁がベンチャー企業の経営者を表彰したが、
その中で経産大臣賞に選ばれたのが痔の新薬「ジオン」を開発したレキオファ
ーマ社(那覇市)の奥キヌ子氏。ジオンは昨年厚労省の認可が下り、今春から
発売予定で「画期的な痔の治療薬」と注目を集めているのだ。治験にかかわった
社会保険中央総合病院・大腸肛門科の奥田哲也医師に聞いた。
痔には、痔核(イボ痔)、裂肛(切れ痔)、痔ろう(あな痔)がある。最も多い
のは痔核で、全体の6割。その痔核を治療する新薬が「ジオン」なのだ。
「一番の特徴は、これまでの治療と比べて患者さんへの負担が非常に軽いという
ことです」痔核を訴えて病院にやって来る患者の多くは痔核の脱出があり、指で
押し込まないと戻らない、あるいは指で押し込んでも戻らないという段階。激しい
痛みや出血がある。ここまでいくと痔核を切除する手術を行うことが多かったが、
ジオンなら注射1本で済むのだ。
「ジオンの主成分は硫酸アルミニウムカリウム。これを痔核の4カ所に薬の分量など
を変えて注射を打ちます。的確な場所に打つため、1カ所に5分ほどかけます。硫酸
アルミニウムカリウムには収れん作用や止血作用などがあり、痔核の出血が止まるほか、
痔核が変性して硬くなり、粘膜にくっつくようになる。つまり、痔核が外に飛び出て
いたのが、粘膜にくっついて飛び出なくなるのです」
痛みはゼロに近い。麻酔を打つが、それは肛門を緩めて的確な場所に注射をするため。
日帰りも可能で、入院したとしても1、2日で大丈夫。治療した日でも排便ができ、
治療後すぐに普通の生活が送れるという。手術で痔核を切除する「結紮(けつさつ)
切除法」なら、1〜2週間の入院が必要。出血があり、人によっては大量出血すること
もある。手術後数日間は排便時に痛みがあり、座ると痛む人もいる。
痔核の手術にはレーザー治療もあるが、費用がかなりかかる場合が多い。その点ジオンは
保険適用。「値段は未定ですが、従来の結紮切除法より安くなると思う」とのこと。
痛みもない、日帰りも可、そして経済的負担も少ないとくれば、痔持ちの救世主になって
もおかしくない。しかし、問題点もある。
「治験に参加した全国10医療機関の痔核の患者を調査したところ、1年後の再発率は
結紮切除法が2%なのに対し、ジオンは16%と高かった。1年後の調査しかまだできて
いないので、5年後、10年後がどうなるか分からないという点もある」さらに治療を行う
医者の“腕”のチェックも必要。というのも、これまでに間違った使い方による重篤な
副作用の報告があるのだ。
ジオンはもともと中国で開発された「消痔霊」という薬で、日本で未認可だった。しかし、
個人輸入で消痔霊の治療を行う医療機関もあったという。
「ただ、注射を打つ場所が違っていたり、薬が適量でないために、肛門が狭窄(きようさく)
してしまう患者さんが少なからずいたのです。どうにも治療ができないほどひどい狭窄を起
こした方もいました。消痔霊と違ってジオンは認可されていますし、薬の成分などに関して
も心配はないですが、信頼のおける医療機関で受けることをお勧めします」
ジオンが発売されるのは今春といわれているが、正確な日程などは未定。“正しい使い方”
を徹底するために、レキオファーマ社などの講習を受けて認定された医師のみ、治療が行える
ようにするという話もある。痔持ちには、「春」が待ち遠しい!?
ソースは
http://www.gendai.net/contents.asp?c=111&id=15504 関連スレ
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http://news18.2ch.net/test/read.cgi/femnewsplus/1108370306/l50