ワカメなどの海藻類の摂取により、乳癌などのエストロゲン依存性癌の発生
に関与する血中エストロゲンが低下することが、栄養学関連誌「Nutrition」
2月2日号掲載の研究で明らかにされた。
カルフォルニア大学バークレー校公衆衛生学部の毒物学者Christine Skibola氏
は、日本人女性は米国人女性よりも乳癌のリスクが有意に低く、日常生活で
海藻類の摂食量がはるかに多いことに着目した。子宮内膜症などの疾患に
よって月経周期に極度の不規則性をみる女性患者3例を対象に海藻の補助食品
を連日摂取させたところ、月経周期が延長し規則的になったほか、エストラジオール
(エストロゲンの一種)の血中濃度が有意に低下した。
その結果を踏まえて、雌ラット24匹を対象にワカメやコンブに類似したケルプ
(海藻類)の摂食による影響を検討したところ、37%に平均月経周期の延長が認められ、
血中エストラジオール値は試験開始時の48.9ナノグラムから36.7ナノグラムに低下した。
さらに、培養中のヒト卵巣細胞をケルプ抽出物に曝露させると細胞内のエストロゲン値
は低下することが判明した。
今回の研究に対し、William Beaumont病院(ミシガン州ロイヤルオーク)の血液科
および腫瘍科部長のDavid Decker博士は「興味深い研究だが、この結果をヒトに応用
することができるかどうかは明らかではない」と疑問視するとともに、乳癌を予防する
には、偏りのない健康的な食生活を送り、40代になったらマンモグラムによるスクリー
ニングを受けることの方が重要であると指摘する。
Skibola氏によれば現在、エストロゲン値に作用する海藻中の物質を特定すべく検討が
進められており、将来その物質由来の薬剤の開発によりエストロゲン依存性癌の予防の
一助となることが期待されるという。
依頼です。ソースは
http://www.drakahige.com/NEWS/DAILY/2005/2005021403.shtml