業種や企業グループの枠、国境を超えて共同開発された飲料や食品が続々登場
している。海外と同時発売される商品や、2社のブランドを並べて冠したものも。
それぞれの企業が持つ「強み」を掛け合わせることで、単独で開発するよりも
早く、魅力的な商品ができるといい、今後も広がりそうだ。
アサヒビールは18日、フランスの高級食品販売会社、フォションと紅茶を使用
した低アルコール飲料を共同開発し、2月に販売すると発表した。
フォションが認定した高級茶葉をアサヒビールグループのニッカ、アサヒ飲料など
の技術を集めてカクテルに仕上げた。「アップルブランデー&ハーブ」と「カシス&
ローズ」の2種類で、紅茶本来の香りを生かしたという。
いずれも日仏同時発売。フランスではフォションの直営13店で販売する。
アサヒビールが着目したのは「フォションのブランド力」だ。30代女性の
フォションの認知率は9割という。低アルコール飲料で有望なターゲットで
ある20−40代の女性にフォションブランドをアピールすることで、新たな
ファン獲得を狙う。
ブランド力とともに共同開発で重要なのが独自の技術だ。
微細な氷を配合した軟らかいアイスクリーム「クーリッシュ」を開発したロッテは
飲料メーカー、小売業の異業種計3社を引き寄せた。昨年夏、アサヒビールとサントリー
が発売した、フローズンカクテルは、それぞれロッテとセブン−イレブン・ジャパン
との共同開発商品だ。バーなどでしか飲めなかったフローズンカクテルだが、ロッテの
技術を使ってパック詰めでの商品化を実現した。輸送は凍結しない程度にできるだけ
低温で保存する「チルド輸送」でなければ対応できない。このため、チルド物流網を
持つセブン−イレブンの店舗で限定発売された。
3月下旬にキッコーマンが発売する新商品「朝から飲める野菜スープ」と、豆乳と
野菜をミックスしたジュースの「野菜だけよりいいみたい」のパッケージには
「デルモンテ・紀文」と2つのブランド名が並ぶ。キッコーマンと紀文食品グループ
は昨年、資本提携し「双方の強みを生かした商品を」と共同開発に臨んだ。
キッコーマンの強みはデルモンテ事業で培った野菜・果実分野での商品開発力。
一方、紀文は豆乳市場でトップシェアを誇る。チルド食品にも強く、チルド物流網
を持っている。今回の新商品はいずれもチルド食品。キッコーマンが扱うのは初めて。
キッコーマンでは「力を合わせることで、早く、強い商品を作ることができる」
としている。
ソースは
http://www.sankei.co.jp/news/050119/kei019.htm