養子になった女性に替え玉が混じった候補者の中から実の父親を選ばせるゲーム番組
をテレビ放映するという計画に、中止を求める手紙やメールが殺到している。
子供の頃に養子に出された若い女性に複数の候補者から実の父親を選ばせて10万ドル
(約1040万円)の賞金を与えるFOXテレビの「フーズ・ユア・ダディ(あなたの
パパは誰でしょう)」は、米国のリアリティTV番組に対する最新のオブセッションだ。
この番組に関するニュースが流れるとそのコンセプトが不快であり、のぞき見的であり、
養子縁組を食い物にしている、として養父母たちの草の根的な反対キャンペーンと全国
の養子縁組組織の抗議運動が起きた。FOXは非難に直接的には応えていないが声明で、
番組のタイトルは「注目集め」だが番組の内容をそのまま反映したものではないとしている。
5歳になる養女を持つシングルマザーのデボラ・カポネさんはFOXに面会と番組中止を
求める5000通以上のメールを送ったキャンペーンを組織した。
「養子と実の親を再会させることをゲーム番組にすることで『フーズ・ユア・ダディ?」
は極めて個人的で複雑な状況を利用して……それをのぞき趣味の見世物に変えています」
とカポネさんは批判する。カポネさんはまだFOXから何の回答も得ていないが、一般の
反応に驚いたという。彼女は次にFOXの広告主になりそうな企業を目標に絞り、番組の
中止を訴える計画を支持者とともに実施するつもりだ。
「エバン・B・ドナルドソン養子縁組機構」のアダム・パターソン事務局長は、FOXに
手紙を送り家族に養子がいる何千万もの家族にとって番組は「破壊的で鈍感で不快である」
と非難し、次のように書いた。
「このような極めて個人的で複雑な状況を利用し、金儲けのゲーム番組に変えるという
アイデア自体が邪悪で、破壊的で、鈍感である」
番組の政策責任者のケビン・ヒーレー氏はこの反応に仰天している。というのも参加者は
実の親も養父母も全員、自分の意志で番組に参加するのであり、必要な情報は事前に全て
知らされているからだ。同氏はロイターにこう語った。
「自分が行ったことも、そのことによってポジティブな変化が起きたさ参加者の人生を
知っているので、とても驚きましたね。タイトルに対する反応は予想していましたが、
まずは番組を見て、それから判断していただきたいと思います」
番組のアイデアは、養子である友人にヒントを得た、とヒーリー氏は言う。「非常に純粋
な意図で始まったことなんです。誰かを辱めようとか、傷つけようという意図じゃないんです」
「サバイバー」「フー・ウォンツ・トゥ・マリー・ア・マルチミリオネア」といった
リアリティ番組は、一般の人が進んで恥ずかしい状況や感情的な状況に追い込まれる
のが特徴で、ここ3年間米TV界を席巻している。
ソースは
http://www.excite.co.jp/News/odd/00081103829603.html