終盤に向けて過熱する米大統領選。ついこの間もケリーの軍歴を中傷するテレビ
広告が話題になるなど、メディアを使った“空中戦”の様相を呈している。
こうした選挙戦の裏側には“仕掛け屋”がいる。米国の大統領選は“仕掛け屋”
で決まるといってもいい。大統領はこうした“仕掛け屋”に“つくられる”のが真相だ。
このほど「大統領のつくりかた」(プレスプラン)を著した在ワシントン歴
22年のジャーナリスト・堀田佳男氏が言う。
「ブッシュ、ケリーの2人はガチンコ勝負しているかに見えますが、彼らは
『操り人形』にすぎません。操縦しているのは選挙参謀といわれる人たち。
それは、10代のアイドルが芸能プロダクションの意思どおりに動かされて
いるのと同じ構図です。もちろん演説や討論するのは候補者本人ですが、その
シナリオを描き、相手を追い落とす謀略を巡らすのは選挙参謀の腕次第。
だから、彼らにはベラボーな報酬が支払われるのです」
ブッシュの選挙参謀として有名なのがカール・ロブ大統領顧問だ。ケリーも
メリー・ベス・カーヒルという選挙参謀を抱えている。もちろん、報酬は億単位。
ケリー陣営は373万ドル(約4億1000万円)を選挙参謀に支払っている。
選挙参謀は役者である大統領候補をどう動かすのか。
例えば、彼らは「テンセカンズ・バイト」といって候補者に10秒話させ、沈黙させる。
有名なのはクリントンの選挙参謀ジェームズ・カービルが編み出した
「It’s the economy, stupid!(経済なんだよ。わかるかい)」
という言葉だ。これをパパ・ブッシュに何度も浴びせ、勝利したのは語り草だ。
もうひとつ、大統領をつくるのに絶対必要なのがカネだ。
「相手がネガティブ・キャンペーンを張ってきたら即座にカウンターパンチを
返さないと負けてしまう。だから、CMを打つ軍資金はいくらあっても足りないのです。
軍資金があれば勝てるわけではないが、なければ絶対負ける。選対がインターネットなど
を使ってどれだけの資金をうまく集めるか。そのためのプロもいるほどです」(堀田氏)
ブッシュ陣営は今年6月までに集めた選挙資金2億1300万ドル(約234億円)のうち、
約8割をテレビ広告に費やしている。両陣営が使うCM費用は310億円に達するといわれる。
これだけの金を使って、いかに組織が一丸となって動くか。11月の選挙前にすでに勝負は
ついているのかもしれない。
ソースは
http://news.www.infoseek.co.jp/society/story.html?q=27gendainet05115266&cat=30