北京で行われていた北朝鮮の拉致問題などをめぐる第2回日朝実務者協議は26日、2日間の日程を終了した。
北朝鮮側は安否不明の拉致被害者10人に関する再調査の中間報告で、横田めぐみさん、有本恵子さん、石岡亨さんの3人について、
02年9月に日本側に伝えた調査内容を一部訂正、追加した。北朝鮮側が公式に従来の説明の誤りを認めたのは初めて。
日本側は遅くとも11月半ばまでに3回目の実務者協議を開き、証拠を伴った調査結果の回答を要求。
また、北朝鮮のミサイル問題や核問題に関連し、02年9月の日朝首脳会談で合意した「日朝安全保障協議」の早期開催を提案した。
北朝鮮側はいずれも「持ち帰って検討する」と答えた。
26日の協議は北朝鮮大使館と日本側宿舎のホテルで計5時間行われた。
北朝鮮側は横田さんについて、「93年3月に自殺」という02年9月段階の説明に誤りがあったとして「死亡時期」の訂正を申し出た。
有本さんと石岡さんについては、2人が結婚3年後の88年11月に招待所で就寝中、ガス中毒で死亡したという点は変更せず、
「招待所に来たのは事故の前日だった」と追加説明した。ただ、他の被害者を含めて現在の安否に直結する情報の提供はなかった。
日本側は納得しなかったため、北朝鮮側は「調査委員会に日本の関心事項を伝え、さらに調査を続ける」と答えた。
このほか日本側は、食糧支援である12.5万トンの穀物が10月から国際機関を通じて北朝鮮に届き始めるため、
物資が国民に行き渡るかどうかを監視する要員を日本から派遣したいと伝え、北朝鮮側も同意した。
日本側代表の斎木昭隆・外務省アジア大洋州局審議官は協議終了後、記者団に対し「北朝鮮側は一生懸命努力していると
何回も言ったが、それを裏付ける具体的提示はなかった。不十分な結果だった」と語った。
(一部略)
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20040927k0000m010099000c.html