芋焼酎の搾りかすで作った醸造酢に抗がん作用があることを、熊本大学大学院の
木田建次教授(生命科学)らが動物実験で確かめた。焼酎ブームで熊本など
南九州3県の搾りかすは、01年度に約42万キロリットルも発生している。
食品リサイクル法で副産物の有効利用が求められており、健康増進も兼ねた
一石二鳥の解決策と期待される。東京都内で開催の日本醸造学会で9日、発表された。
木田教授らは、芋焼酎の搾りかすに酢酸菌を加え醸造酢を作製。背中に筋肉のがんを
移植したマウスを7匹ずつ6群に分け、通常の餌を与える群、餌に醸造酢を0.1%、
0.3%、0.5%、0.75%、1%を混ぜて与える群とした。生存率とがんの大きさを比べた。
その結果、通常の餌を与えた群の平均生存日数は約45日で、67日までにすべて死亡した。
だが、0.5%群は55日で1匹が死亡しただけで70日まで6匹が生存。0.75%群も4匹が生存した。
がんの大きさは移植10日目ではすべての群で直径5ミリ、体積70立方ミリ程度だったが、
通常群では45日目に平均8800立方ミリまで大きくなったのに対し、0.5%群と0.75%群は
平均3000立方ミリで、増殖抑制効果がみられた。0.1%群と0.3%群では目立った効果はなく、
1%群も0.5%群などに比べると効果は低かった。
担当した留学生の韓蓮淑さんは「搾りかすは一部が飼料や肥料になっているが、多くは焼却処分されている。
抗がん効果のメカニズムを解明し、健康を意識した醸造酢の実用化を目指したい」と話している。
ソースは
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20040910k0000m040150000c.html