当社ビューティケア研究所と(株)カネボウ化粧品 化粧品研究所(香料研究室)は、
「温泉の香り」について共同研究を行い、このほど温泉の香気成分を初めて解明しました。
日本の温泉の歴史は古く、古事記や日本書紀にも登場します。温かい湯が地面から
噴出してくる温泉は、自然からの恵みであり、ケガや病気を治し、気分を和らげ、身体
全体を清め、再生してくれる神聖で貴重なものとして認識されていました。世界的にも
ローマなどヨーロッパ各国・地域に温泉があり、太古から温泉と人類とは密接なつながり
を持っています。
温泉が何故身体に良いのか。これまで、温泉成分について詳細な研究がなされ、泉質と
その効果についての関係がいろいろ議論されています。しかし、温泉に特有な香りについ
ては全くといっていいほど研究報告がありませんでした。
そこで、私どもは温泉が持つ効果を、特に温泉に特有な香りに焦点をあて研究を行って
きました。その結果、温泉の香りの正体を突き止め、さらに、そのリラックス感についても
検証することができました。
関連内容については5月28日〜29日に行われました第69回日本温泉気候物理医学会
で発表いたしました。
1.温泉の香り成分
香気成分を分析した結果、エステル類、酸類、アルコール類、アルデヒド類、エーテル類、
ケトン類、ラクトン類、フェノール類をはじめ、セスキテルペン類(香気成分)や硫黄化合物が
見つかりました。
2.温泉の香りのリラックス感
今回の分析結果をもとに温泉の香りの再現を試み、その再現された「温泉の香り」に
ついて、脳波測定および心拍測定などの心理生理効果測定を行いました。
その結果、温泉の香気成分にはリラックス効果が示唆され、温泉地において多くの方が
感じられるリラックス感には「温泉の香り」もその一因を担っているものと考えられます。
3.まとめ
今まで温泉の香りというと、硫化水素臭に代表される「硫黄の匂い」が一般的でしたが、
本研究の結果より、はじめて温泉水の中にはセスキテルペン類などの多くの香気成分が
入っていることが確認されました。これは温泉地周辺の豊かな自然の香気成分が長い
年月をかけ温泉水中に抽出されたものと考えられます。
現在まで温泉が何故身体に良いのかいろいろ議論されてきていますが、本研究により
温泉の効用には「温泉の香り」も1つの要因になっていると考えられます。
「温泉の香り」にはセスキテルペン類などの香気成分が入っており、その香りは森をイメージ
させる心地よい香りでした。そしてその香りはリラックス感を与えてくれることがわかりました。
http://www.kanebo.co.jp/contents/fram/f_08rel.html ☆依頼アリ
http://news15.2ch.net/test/read.cgi/femnewsplus/1088834109/20