アーレフ(オウム真理教から改称)の信徒らが医薬品成分を含むクリームを違法に販売したとされる事件で、
教団上層部が関与した疑いが強まったとして、警視庁は6日午前、最高幹部の1人、野田成人容疑者(37)と
信徒ら計6人を薬事法違反(無許可販売)容疑で逮捕した。
また、教団の本部機能がある東京都世田谷区の施設や杉並区の東京道場、6人の居宅など47カ所を家宅捜索した。
野田容疑者は黙秘しているという。
野田容疑者は教団に5人いる「正悟師」と呼ばれる階級で、「正大師」の上祐史浩代表につぐ地位にある。
財政部門を長く担当して教団の意思決定にもかかわっているとされることから、警視庁は、違法な薬物販売を
教団の資金源にしていた可能性もあるとみて調べを進める。
生活安全部と公安部の調べでは、野田容疑者らは東京道場の信徒らと共謀して昨年2月から今年4月にかけて、
医薬品成分のステロイドを含む「桃源クリーム」約2300個を都知事の許可を得ずに約720人に計約1900万円で販売した疑い。
野田容疑者は、クリームを製造した立川市の医薬品販売「漢宝堂」代表中野清被告(36)=同法違反罪(無許可製造、販売)で起訴=と
信徒が代理店契約を結ぶなどして、インターネットを通じて違法に販売していたことを知りながら、容認していたという。
クリームは「アトピー性皮膚炎に効く」との触れ込みで1個8000円で販売していた。かぶれなどの症状を訴える人もいたという。
この事件では6月、アーレフ東京道場長の井上崇被告(35)ら9人が同法違反容疑で逮捕され、うち8人が起訴されている。
http://www.asahi.com/national/update/0706/013.html