坂出市本町の醤油(しょうゆ)醸造会社「鎌田醤油」が昭和初期のレトロな洋館を改装し、
国内外で活躍する人形作家の作品を常設展示する「四谷シモン人形館 淡翁荘」を六日、オープンさせる。
四谷シモンさん(59)は、関節部分を球体で動くようにした人形製作で知られ、
機械仕掛け風の作品は、見る人に人間の存在とは何かを問いかける。
洋館は一九三六年(昭和十一年)建築で、鉄筋二階建て。館内に、高さ二メートル以上の
「男の人形」二体をはじめ、座った姿勢の「男」、羽を広げた「天使」、金庫の空間に置かれた「目前の愛」など、
一九八〇年から二〇〇〇年にかけての近作十六体が展示されている。
建物は、先々代経営者の鎌田勝太郎氏が住居として建てた。六十年以上も使っておらず、
一時は取り壊しも検討されたが、現在の郁雄社長が貴重な建物を後世に残そうと、3000万円をかけて改装した。
当初は保存が目的だったが、〇一年から使っていた愛媛県伊予三島市(現在の四国中央市)の病院跡に代わる
常設展示場所を探していた四谷さんが、淡翁荘を訪れ、新たなギャラリーとして白羽の矢を立てた。
四谷さんは「年月を積み重ねた洋館は、人形作家にとって願ってもない展示空間。美術館とは異なる雰囲気の中で、
人間にとって不可思議な存在の人形について何かを感じてもらえれば」と話している。
入館料500円。開館は火・木・土曜(祝日休み)の午前十時―午後四時。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kagawa/news001.htm