九州の保育園で02年に起きたB型肝炎の集団感染は、湿疹などをかきむしった出血部位を通じて
うつっていた可能性が高いことを、佐賀大学医学部の市丸智浩助手(小児科学)らが突き止め、
7日、東京都内で開かれた日本感染症学会で発表した。このような感染経路が浮かんだのは初めて。
B型肝炎は血液など体液を介してうつり、輸血、医療事故、性交渉が主な感染経路。
この保育園では、職員6人、園児と卒園児17人の計23人が感染していた(当時判明分、園外で感染した可能性のある人も含む)。
このうち子ども13人について詳しく調べると、6人がアトピー性皮膚炎などによる湿疹を起こしていた。
感染しなかった子ども30人と比べ、感染率が4倍以上も高かった。
市丸さんは「聞き取り調査の結果などから、輸血や医療行為で感染したとは考えにくく、出血部位を介して広がった可能性が高い。
子どもにかくのをやめさせるのは難しいので、大人の配慮が必要」と話している。
ウイルスを持つ大人の保因者(キャリア)からうつらないように気をつける、子どもの出血部位を保護する、といったことが考えられる。
B型肝炎に詳しい白木和夫・聖路加看護大教授の話
B型肝炎ウイルスの保因者は、子どもでは0・03%程度と見られ、子ども同士で感染する機会はほとんどない。
心配なら、ワクチンを接種すれば感染を防げる。実際、欧米では子どものころにワクチンを打つ国が多い。
http://www.asahi.com/science/update/0408/002.html