しっかり朝ごはんで元気に学校生活――。朝食を食べてこない生徒に、学校
がおにぎりやみそ汁を提供する珍しい試みが、香美郡土佐山田町の鏡野中
学校で昨秋から行われている。県教委の地域支援システムづくり推進事業の
一環。一日の学校生活のスタートを快適に切るため朝食をしっかり取る習慣
を身につけさせるのが狙いで、最終目標は全生徒が家庭で朝食を取ること。
生徒からは「体の調子が良くなり、授業に集中できるようになった」などと好評だ。
町教委の昨春の調査によると、同校では全生徒460人のうち、朝食を毎日
食べていない生徒が約3割に上ることが分かった。家庭の事情など理由はさ
まざまだが、「朝食を食べる環境を学校で設定し、朝食と規則正しい生活習慣
の大切さを学ばせてほしい」と、県教委児童生徒支援課が事業を提示、2、3
学期に試験的に実施している。
朝食タイムの後の生徒アンケートでは「授業中に眠ることがなかった」「元気
になった」などの声が集まった。同校は「朝食の重要性を知識だけでなく、実際
に食べることで実感してくれている」と喜ぶ。
同校は朝食の重要性を学校便りで保護者にも啓発している。入野正佳校長
は「親がご飯を作ってくれるのが当たり前と考えていた子がこれまで多かった。
この事業で、普段は意識しなかった作り手への感謝の気持ちも生まれている
ようだ」と話している。
事業の最終的な目標は「全生徒が家庭でしっかり朝食を食べること」。これま
で朝食を抜いていた生徒から「これからは早く起きて、朝きちんと食べるように
したい」との声も出るなど徐々に成果が表れているようだ。
おそーす
http://www.kochinews.co.jp/0402/040212headline07.htm#shimen7