化粧品研究担当ですが質問ありますか?

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>>65

ジメチコンだから落ちにくいというわけではないです。
ジメチコン、シクロメチコンと一言で言っても色々と番手があります。
カチオン化された(+の電気を帯びた)シリコーンは落ちにくいようです。

キューティクルとともに剥がれ落ちる・・・のはよく聞く宣伝文句ですが
イメージ的に理解ができません。というのもシリコーンは油ですので
落ちる過程は、物理的な剥離ではなくて、界面活性作用による溶解と
なります。つまり、キューティクルもろとも剥がれ落ちるような
落ち方はしないと思われます。そのような論文も見たことがないです。

また、皮膚への蓄積性ですが、基本的にはシリコーンが生理的に不活性
(薬効的に効力がない)、酸化劣化しにくいことを考えれば、多少の残留は
問題ないと思っています。ターンオーバーとシリコーンの残留の関係は
申し訳ないのですが、分かりません。ただ、シリコーンは落とそうと
思わなければ、残留してしまうと思っています。

クレンジングミルクで洗浄されているようですので、シリコーン以外の
油成分は恐らく落ちていると思います。デイリーケアは今のままで
OKです。週に一度くらい肌に合っていて洗浄力の強いクレンジングで
シリコーンを落としてみて下さい。私も週一度、クレンジング強化日を
設定しています。その後は、いつもより多めの美容液を叩きこみます。
せっかく、本当のスッピンになった状態ですので。

ちなみに、資生堂さんが石鹸で落とせるシリコーンを開発しました。
今年のアネッサで使用されています。pH応答性(石鹸のアルカリに反応
して落ちる)を有するシリコーンのようです。
この技術が他社でも使えるようになると、シリコーンのイメージも
随分と変わるのではと期待しています。特許がガチガチなんで他社が
同じようなことをしようとすると、相当に難しいと思いますが…。