まずは、NY外為市場の動向から振り返って参ります。
6日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3日続落。
前日比1円45銭円安・ドル高の1ドル=109円75―85銭で取引を終了しています。
内閣府が景気の基調判断を「悪化」へ下方修正したことを受け、
欧州市場では円売りが進み、ニューヨーク市場でも同様に円売りが続きました。
また、原油相場が続落し株式市場が堅調に推移したことでドル買いが加速。
一時109円89銭をつけ110円が見えてきました。市場では、
「心理的な節目の110円前後を超えると売りが一段と加速する」
との強気の見方もあります。
円は対ユーロでは、前日比1円70銭円安・ユーロ高の1ユーロ=169円10―20銭で
取引を終了しています。
次にNY株式市場の動向を振り返ります。
前日に大幅上昇した後だけに、利益確定売りが出た上、
悪い企業決算、原油高を受けて寄り付き後は軟調に推移しました。
しかし、朝方上昇していた原油先物相場が、
週間の石油在庫統計で原油在庫が市場予想以上に増加したことから、
需給ひっ迫観測が和らぎ下落。一時は直近の安値1バレル117ドルをつけ、
1バレル118.58ドルで取引を終了しています。
これにより高値から20%以上下落した原油相場はベアトレンド入りしたとも
言われました。
原油の下落が好材料視され、マイナスで推移していた主要3指数はプラスに転じました。
最後に本日の日経平均先物です。
原油の続落、為替の円安は昨日に続きプラス材料となりそうですね。
寄り前の現物株の気配では、新興市場などに売りが入っており、
個人は利益確定売りの姿勢のようです。
また、本日は8月限オプションの最終売買日です。
昨日のモーニング@ライブでも話しましたようにポジションを見る限りでは、
SQの着地点を13000円〜13200円付近に抑えたい向きが多いと思われますので、
上値を抑えにくる主体がありそうです。
原油安の好感、大幅な円安を受けた輸出ハイテク株の上昇が相場全体の牽引役と
なれるのか注目です。
全体の需給では売りに傾いている面があります。
8月限135コールの売り方を踏み上げさせようと、買いで仕掛けた方が楽に儲けられる相場展開でしょう。
これからの株式市場は、景気後退をいっそう織り込みに行くベア相場であると思われますが、
だからといって「下手に売っても下がらない、下がらないから買い戻す」という短期需給に左右されてしまう動きもあります。
よって、今日一日に限っては押し目を買う戦略が有効に思われますがどうでしょうか。
ちなみに現在のグローベックス・ナスダック100は、フレディーマックの20%下落を受け、
マイナス4P程度です。
本日の想定レンジは13150円〜13450円です。
シンガポール日経225先物はシカゴ清算値を下回る13255円でスタートし、
現在は13300円付近を売買しております。
海外ファンド決算が商品安・株高を助長
商品ロング・株式ショートを整理、貸し株返却も
海外ヘッジファンドなどのリスクマネーによる決算対応が、商品反落と日米の株高 を
支援しそうだ。9月期末の解約申請は45日ルールによって8月中旬が期限となる
が、 それに備えた現金化が商品ロングと株式ショートの整理を一段とあぶり出す可能性
が ある。
同時に日本株については9月決算に向けた機関投資家による貸し株回収も
意識 され始めており、短期筋の借り株返却に伴う空売り買い戻しも注目されよう。
昨年は8月半ばに株式の換金売り、今年は商品が対象に
「米国株のPER14倍という数字は長期投資の観点で割安。あくまで個別厳選の形に
なるが、絶好のバリュー投資の環境が整備されつつある」――。
ある米国系のヘッジファンド関係者は米国株についてこのような投資判断を示す。
そうした潜在的な割安感を示すように5日のS&P500は4月以来の大幅高を演じた。
背 景としては原油続落やFOMCでの年内利上げ観測の後退のほかに、
信用不安の一段落も 見逃せない。
米株投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所のボラティリティー指数
(VIX指数、別名・恐怖指数)は5日に一時20.06となり、
6月17日(20.02)以来の低 水準にまで低下した。
3月以来の最高となった7月15日の30.81をピークに低下傾向が 維持されており、
6月から激化してきた金融不安相場の一巡感が示されている。
しかもテクニカルな長期トレンドとしては、90日移動平均線が上から200日線を下
抜けるという不安心理改善への基調転換が見られている。
前回の下抜けは06年10月26日に見られたが、
S&P500は同月の安値から07年10月の高値まで18.8%の上昇ラリー を辿った。
また、現在と同じように信用不安や景気後退によって魁w)・・uタが長期化した99年から
03年のケースでは、03年2月11日に90日線が完全下抜けとなった。
結果として1カ月後の 788ポイント(3月12日)が長期スパンでの「二番底」となり、
長期上昇トレンドへと 底入れ反転している。
今回の場合、90日線の下抜けは6月11日から観測されてきた。
そしてS&Pはちょう ど約1カ月後の7月15日に記録した1200が安値となり、
現在まで低位もみ合いが続いて いる。
まだ長期スパンでは米国経済に先行き不安が根強いものの、
足元でのVIXの低 下トレンド定着は当座の信用不安ピークアウトと株価の緩やかな
底入れ反転を示唆す るシグナルとして注視されよう。
そうした地合い好転を支援するのが、原油などの商品バブルの調整である。
原材料 価格の低下は企業のマージンプレッシャーを緩和させ、
過度に下振れしてきた業績見 通しを上方修正させていく。
実際に米国の重要先行指標である7月ISM景況指数では、
NY原油先物が7月中ぁw)・・uヲ賊憾ドルから120ドルへと下落しただけで、
仕入価格指数は製造 業、非製造業ともに5カ月ぶりの低下に転じている。>>
商品安・株高という流れは、ヘッジファンドなどの決算要因が助長させることにな る。
通常、顧客からの解約申請は四半期末の45日前までに受け付けるというルールと
なっており、その期限にあたる四半期の期央にかけては解約に備えた現金化の動きが
広がりやすい。ちょうど一年前の昨年8月の日経平均株価はサブプライム問題が広が
る中で、45日ルールに対応した換金売りが8月13日の高値1万6948円の高値から
17日の 安値1万5262円に至る10%近い暴落の一助をになった。
今回は同様の現金化が商品相場で想定され、
裏表の関係で膨張してきた株式ショー トや為替相場でのドルショートの巻き戻しが
短期的に加速する余地が残る。
ポジショ ン調整による商品安・ドル高(円安)の流れ自体が、
一段の日本株の買い戻しを誘発 するという好循環を生みやすい。
資源食品高の打撃セクター、叩w)惨・u的な買い戻し脚光
あくまで期間限定の日本株のリバウンドとなるが、個別セクターとしては原材料価
格の高騰で打撃を受けてきた業種が買い戻しの材料として注目されよう。
例えば6月 短観で仕入価格DIが現状判断より9月予測にかけて大きく上昇していた
業種としては、順番に造船・重機、紙・パルプ、一般機械、鉄鋼、金属製品、自動車など
となっ ていた。
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一名でお待ちの名無し様:2008/08/07(木) 14:02:43 ID:1mn7764a
また、信用買い残が信用売り残の何倍になっているかを示す「信用取組倍率」では、
売り残の比率の大きい(=倍率は小さい)上位20社のランキングとして、
5日時 点では順番に日本ハム、日清製粉グループ、東邦ガス、ミスミグループ、
小田急電>> 鉄、京阪電鉄、ヤマハ、西部ガス、相模鉄道、福山通運、塩野義製薬、
ユニー、レン ゴー、ダイハツ、東亞合成、三菱倉庫、アサヒビール、ニチレイ、王子製紙
、J-オ イルミルズ――などが並んでいる。
やはり資源エネルギーや食品の急騰で打撃を受け てきた企業が目立っており、
今後は短期的な買い戻しの物色テーマとして注目されそ ぁw)Δ・uセ。
さらに日本株の場合は9月決算が視界に入り始めており
「期末要因の空売り手仕 舞い」が現状からの押し目買いをサポートする。
例年、株券の貸借取引は4月や10月の半期明けから活発化し、
9月と3月の決算期末 にかけていったん整理される傾向にある。
ヘッジファンドなどの外国人投資家も、証 券会社や本邦機関投資家などから貸し株を調達し
短期売買を行ったあとに、本邦勢 の決算対策に応じて返却するパターンとなっている。
通常、調達した借り株は空売り やヘッジのつなぎ売りのための担保に利用される。
そのため、期末対策に伴う回収は ショート・ポジションの手仕舞いを通じた買い戻し
を誘発しやすい。>>
今年度上期については投資収支の統計上、4月に3兆6234億円の貸し株が非居住者
(=外国人投資家)に流れている。ちなみに昨年度の場合、
4月に5兆722億円の貸し 株が非居住者に流れ、期末の8月に1兆7024億円、
9月に3兆5323億円、8−9月の合計で─w)憎・uウ兆2347億円が居住者に戻され
ている。>>
その間、日経平均株価は8月17日の1万5262円を安値にジリ高に転じ、
9月末には1万 6929円の高値まで10%以上の上昇を記録。
10月11日の1万7488円という高値まで緩や かな上昇ラリーが続いた。
あくまで株高の一因に過ぎないものの、時期的に期末対応 の空売り買い戻しと重な
っている。>>
その他、海外短期筋の日本株ショートの積み上がりについては、
シカゴ・マーカン タイル取引所の日経平均先物インデックス・ポジション
(投機部門=非商業+非報告)でも確認されている。
ロングとショートの合計ポジションに占めるショートの比 率は、
最新の7月29日時点で66.7%となっている。
信用不安の一時後退によって買い戻しが進んだ6月24日の64.1%から、
再び空売り残 高が増加してきている。
このまま金融不安の後退と商品相場に下落が続けば、
短期的 な踏み上げによる買い戻しが雪崩を打つエネルギーが蓄積されている。