★全米食肉検査官の労組、農務省に反発
・日本向けのアメリカ産牛肉に特定危険部位が混入した原因についてアメリカ農務省は
「検査官が輸出基準をよく知らなかった」としていますが、全米の食肉検査官でつくる
労働組合は「責任を個人の検査官に押しつけている」と反発しています。
スタンリー・ペインターさん。全米に5万人いる食品検査官労働組合のトップを務めています。
今回の特定部位混入をめぐってアメリカ農務省は、派遣された検査官が日本向け牛肉から
背骨を取り除くことを知らなかったことが原因としていますが、ペインターさんは責任を個人の
検査官に押し付けていると反論しました。
「農務省はスケープゴートを探したいんです。だから、食肉業界を責めるのではなく、検査官の
責任にしたわけです」(ペインター議長)
ペインターさんが疑念を抱いたのには訳があります。検査官の労働組合はおととし12月、
農務省に対して警告書を提出し、食肉工場で牛の脳や脊髄などの特定危険部位を取り除く
処理が徹底されていないと告発していたからです。
「私たちの警告書を受け入れていれば、この問題は防ぐことが出来たはずです」(ペインター議長)
派遣される検査官は農務省や食肉業界の圧力で権限が制限され、各国から課せられている義務に
ついても満足にチェックできないと現場の危機感を訴えています。
「アメリカは安全対策を変えるつもりはありません。同じような問題は他の場所でも起こる
可能性があります」(ペインター議長)
検査官の認識不足かチェック体制の不備なのか、いづれにしてもアメリカの安全対策の
ずさんさに変わりはなく、アメリカ産牛肉の信頼性に不安がつきまとっています。
http://news.tbs.co.jp/headline/tbs_headline3209612.html ※動画:
http://news.tbs.co.jp/asx/news3209612_12.asx