宮本ラウンドテーブル 1/4
「『スーパーマリオ』というのは、20年くらい、僕は作り続けて来てるので、その間
ずーっとチャレンジし続けてきて挫折した事があるんですね。いま三人で遊んで
ますけど、普通の一人で遊ぶ『スーパーマリオ』そのままの状態で、マルチプレイ
でも遊びたい。で、マリオのシリーズを作る度に、最初この実験から入るんですけ
ど、途中で諦めて、一人用になる」
「過去のシリーズでも、『スーパーマリオ2』とか、四人を交代で遊ぶものとか、マリ
オとルイージを入れ替えて遊ぶものとか、色々あったと思いますけどもね、これ
は、昔『マリオブラザーズ』を作った頃からそうなんですけど、マリオのゲームって、
協力して遊んだり、お互いに落とし入れ合いをしたり、倒し合いをしたりして、微妙
なバランスで遊ぶんですね。だからそのままこう、咥えて穴に落とすとか、それ
から一緒に協力して相手を倒したり、色んな遊び方が出来る」
「あと、どっか行ってしまうと、一人が取り残されてしまうので、こう距離が広がる程、
スクロールがざーっと、カメラを引いていく」
宮本ラウンドテーブル 2/4
「一見、昔の『スーパーマリオ』のシリーズのようなんですけど、ちょっとずつこういう
トリックがあります。で、こう四人の距離が離れていくと、カメラがどんどんどんどん
引いていって、近づいて来ると、普通に戻る。これは、基本の仕組みは3Dで作る事
とか、WiiのCPUの処理能力でたくさんの敵を同時に出してもちゃんと処理が出来る
とか、いうことで、やっとWiiで実現が出来た。」
「一人で遊んでると死んだとこで終わりなんですけども、こう四人で遊んでると、
誰かが生き残ってると、ずーっといけるっていう。」
「シングルプレイのモードを、四人まで遊ぶ、こういうストーリーモード、それから、クリア
したとこだけを四人で徹底的に遊ぼうという、個別で選んで遊ぶ、マルチプレイモード。
大体こういうのがですね、80コースくらい入ってるんですけども、ぜひとも一回試して
みてください」
「このゲームで目指してる物というのは、初めてゲーム遊ぶ人も、かなりゲームを遊び
込める人も、一緒に遊べる。かなり近づいた感じがします。」
宮本ラウンドテーブル 3/4
Q ゲームの難易度なんですけれども、ロンタイムゲーマーの為に、
難易度をちょっと上げる可能性はありますでしょうか?
A 今はやっぱり、より幅広い人に遊んでほしい、という風に思ってますから、なかなか、
それは、難しいとこなんですね。もっと攻略しがいがありながら、初めての人にも楽しい
という事を、ずーっと考えながら作ってるので、今度もいくつかの工夫はしてます。
今度は、どうしても難しくて超えられないという人の為の、サポートのシステムを、
いっぱい準備してまして、まだ言えないんですけど、ま、それがある事で、多少難しい
とこを作っても大丈夫。
宮本ラウンドテーブル 4/4
Q これから出るゲームは、Wiiスピークに対応するゲームはありますでしょうか?
個人的な意見なんですけれども、『New スーパーマリオブラザーズWii』にWiiスピーク
を使う事が出来たら楽しいですね。
A あの、ありがとうございます。いいアドバイスを。
いや本当に、色んな物を作ってて、Wiiスピークに対応するって事を、全部、考えては
いるんですけど、なかなか、テーマが多すぎて、おろそかになってました。
で、正直な所で言うと、この『New スーパーマリオWii』は、もうほとんどの処理時間を、
このゲームを動かす事に、もうフルパワーでかけてるんですね。
ですから、ネットワークに繋いでWiiスピークを動かすような余裕は残ってないです。
けど他のゲームで、そういう事を前提で作った方がいい物があればという事で、
もっと、考えていきたいと思います。
宮本茂のラウンドテーブルの音声を文字にしました。